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家庭用太陽光パネルの設置が、高騰する電気料金への対策になることをご存知でしょうか?
家庭用太陽光パネルで発電した電気は、家庭用の電力に充てられるだけでなく、使い切れなかった分は送電線を介して売電することも可能です。
本記事では、太陽光パネルの価格と設置費用について解説します。できるだけ安く設置したうえでメンテナンス費用を抑え、早期に設置費用を回収するためのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 太陽光パネル設置費用の相場がわかる!
- 太陽光パネルの設置費用を安く抑える方法がわかる!
- 太陽光パネルの設置後にかかる費用がわかる!
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太陽光パネルの設置費用はいくらになる?
まずは、太陽光パネルの設置費用の価格相場について解説します。
設置費用には太陽光パネルそのものの価格だけでなく、発電システムを構成する各種の機器や、取り付けに必要な部材、工事をする人件費などが掛かります。
設置費用の相場
画像引用:調達価格等算定委員会「令和4年度 調達価格等に関する意見」
経済産業省の調査によると、2021年の家庭用太陽光発電の、システム費用の平均値は28.8万円/kWでした。
住宅用の太陽光発電はパネル出力3〜5/kWで構成されることが多く、単純計算では総額86.4万円(3kW)〜144万円(5kW)程度となります。
費用のうち、太陽光パネルの製品代が約60%、工事費が約25%の内訳となります。
設置費用は、新築住宅・既存住宅(後付けリフォーム)ともに年々コストダウンしており、調査を開始した2012年の46.5万円/kWと比べると約60%程度の値段になっています。
これは、2012年に制定された固定価格買取制度(FIT)により太陽光パネルが広く世の中に普及し、生産の効率化と太陽光パネルメーカーおよび設置業者間の価格競争が進んだ結果と考えられます。
太陽光パネル等各設備の価格相場
下図は、太陽光発電システムを構成する太陽光パネルなどの価格と、設置工事費用の相場をまとめたものです。
内訳 | 価格 |
太陽光パネル | 16.3万円/kW |
パワーコンディショナー | 4.0万円/kW |
設置架台 | 2.0万円/kW |
配線等その他の設備 | 0.2万円/kW |
設置工事費 | 6.3万円/kW |
合計 | 28.8万円/kW |
- 太陽光パネル
太陽光パネルは、太陽光のエネルギーを電力に変える太陽電池セルを強化ガラスで覆ったものです。
メーカーおよび品番によって発電出力や変換効率などの製品仕様と特徴が違うため、選定にあたっては十分に比較検討しましょう。
- パワーコンディショナー
パワーコンディショナーは直流電流を交流電流に変換する装置です。
太陽光パネルで発電された電気は直流電力になるため、そのままでは住宅内の電力に使用できず、送電線にも流せませんので、発電システムの構成には必須のものです。
- 設置架台
太陽光パネルを住宅の屋根に取り付けるための金属部品です。
屋根の形状や仕様(瓦やスレート、金属など)、想定積雪量によって、メーカーから各種のラインナップが用意されており、値段もさまざまです。
- 配線等その他の設備
太陽光パネルで発電された電力を集電し、住宅内のブレーカーや売電用の電力メーターに接続するための電気配線など、発電システムを構成するためのその他の副資材です。
- 設置工事費
設置工事には、パネルを現地に運び取り付けるための輸送費や人件費、足場などの仮設費用、その他施工会社の諸経費が含まれます。
住宅内のブレーカーや売電用の電力メーターに接続するには、有資格者による電気工事も必要です。
設置費用(kW単価)が変動する要素
太陽光発電システムの設置費用は、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの製品価格による部分が多くを占めますが、設置する面積や工事の条件によって工事費用も大きく変動します。
新築か後付け(リフォーム)か
設置工事費は、一般的に新築よりも後付け(リフォーム)の方が高くなります。
これは、新築工事の場合は足場や荷揚げなどの仮設費用が他の工事と共通化でき、コストダウンできることが大きな要因です。
ただし、リフォームの場合でも、他の工事とのまとめ発注で全体の工事経費を圧縮できる場合がありますので、工事店に相談してみましょう。
太陽光パネルの出力容量
設置する太陽光パネルの合計出力容量が大きいほど、価格はコストダウンします。
太陽光発電システムは、出力容量10kW未満の場合は「住宅用」、10kW以上の場合は「産業用」と区分されています。
産業用のシステムの場合、2021年の調査ではシステム費用の平均値が25.5万円/kW(出力10~50kW)、17.2万円/kW(出力1000kW以上)と、住宅用の28.8万円/kW(出力10kW未満)と比較してコストが安いという結果から、出力容量の大きさに比例してコストも下がっていきます。
設置する場所
住宅の一般的な屋根である瓦・スレート・金属板と比べると、イレギュラーな陸屋根(フラットな屋上式の屋根)・折板屋根(商業施設や工場で良く見かける金属屋根)などは設置架台が割高となり、価格コストが上昇します。
また、雪の多い地域では積雪荷重を考慮した専用の設置架台が必要となり、価格アップの要因となります。
敷地内の空地に野立てで設置する方法もありますが、基礎工事や周囲の雑草の管理などを考えると規模が小さい場合は設置費用の改修も難しくなってしまいます。
太陽光パネルの設置費用の回収期間は10年前後
住宅用太陽光パネルの設置費用は、自家消費による電気代の削減とFIT制度による売電収入により、10年前後で回収できるといわれています。
投資回収期間=(太陽光パネル設置費用+メンテナンス費用)÷(電気代削減額+売電収入)
設置費用とメンテナンス費用を抑えることで、10年以下での回収も十分に可能です。
FIT制度による売電単価は年々安くなっていますが、電気料金が高騰していますので、その差額で投資回収期間が早まる可能性もあります。
年度 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
事業用太陽光
(10kW以上50kW未満) 【期間20年】(円) |
40 |
36 |
32 |
27 |
24 |
21 |
18 |
14 |
13 |
12 |
11 |
10 |
事業用太陽光
(50kW以上入札対象外) 【期間20年】(円) |
12 |
11 |
10 |
9.5 | ||||||||
住宅用太陽光調達価格
(10kW未満) 【期間10年】(円) |
42 |
38 |
37 |
33 |
31 |
28 |
26 |
24 |
21 |
19 |
17 |
16 |
太陽光パネルの設置費用を安く抑えるには
太陽光パネルの設置費用を安く抑えるためのポイントについてご紹介します。
太陽光パネルの設置業者は多数存在しますので、複数の業者を比較検討することが大切です。
また、自治体によっては太陽光パネルや蓄電池、電気自動車(V2H含む)に補助金を出しているところもあります。お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
販売店の相見積もりをとる
太陽光パネルの設置工事を依頼できるのは、大きく分けて「ネット販売サイト」「家電量販店」「訪問販売」「工務店やハウスメーカー」の4つです。
その中でもネット販売サイトを利用すると、営業経費などの中間コストが抑えられるため費用が安く済むケースが多いでしょう。
見積を取る場合は複数の販売店に依頼し、価格だけでなく、太陽光パネル・機器の仕様や投資回収のシミュレーションなどを入念に比較することをおすすめします。
また、長期にわたって稼働する精密機械ですので、工事の品質を担保できるかも重要なポイントです。
太陽光パネルやパワーコンディショナーのメーカー保証期間だけでなく、工事保証の適用内容と期間もチェックしましょう。
補助金の活用
2023年1月現在、太陽光パネルの設置に使える国の補助金制度はありません。
しかし、各自治体が独自に用意している補助金制度が使える可能性がありますので、お住いの自治体にお問い合わせください。
例えば、東京都は電気自動車やV2H充電設備、その他の省エネ改修などと組み合わせて太陽光発電システムを導入する場合に、太陽光パネルの設置にも補助金が出る制度を用意しています。
海外メーカーの太陽光パネルを選ぶ
太陽光パネルの国産メーカーにはシャープやパナソニック、長州産業などがあり、長年の稼働実績があります。
一方で、カナディアンソーラーやQセルズといった海外メーカー製品には、コストダウンを実現しやすいメリットもあります。
海外メーカー製品は世界規模で圧倒的な量産体制があるため、著しいコストダウンを実現しています。技術力も向上しており、現在では国産メーカーと品質に大きな差はないといわれています。
ただし、海外製の場合は国内のサービス拠点が少ないため、アフターサポートに時間がかかる場合もあるため注意が必要です。
太陽光パネル設置後にかかる費用
太陽光パネルの設置費用を早期に投資回収するためには、設置後のメンテナンス費用を可能な限り正確に見込んで、シミュレーションをしておく必要があります。
ここでは、太陽光パネル設置後に掛かる費用について解説します。
メンテナンス費用
2017年の改正FIT法によって、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する太陽光発電設備には既定のメンテナンスが義務付けられました。主な点検内容は以下のとおりです。
- 太陽光パネル、その他構成設備の目視点検
- システム発電量やケーブルの電流値、抵抗値の計測
- 接地抵抗(アース)の計測
いずれも一般の方が点検するのは難しい内容ですので、専門業者に依頼することになります。
頻度としては、住宅用の場合は少なくとも4年に1回が推奨されており、その都度2〜5万円の点検費用を見込んでおく必要があります。
参考|資源エネルギー庁 事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)
保険料
メーカーの製品保証や工事会社の保証は、多くの場合、台風や雹(ひょう)害による太陽光パネルの破損や落雷による設備の損傷など、自然災害による損害には適用されません。
そのような自然災害で損害を受けた場合に掛かる修理費用や第三者被害に対する賠償は高額になってしまうため、自然災害保険への加入も検討しておくべきでしょう。
自然災害保険の保険料は、対象となる発電設備の規模や場所、保険期間、保険内容などによって異なりますが、発電設備の設置費用の1〜2%程度が相場となっています。
ただし、自然災害が多発する地域や、高い災害リスクのある設備などの場合は、保険料金が高くなる可能性があります。
各社の保険プランを比較し、立地に適した保険プランを選ぶことが重要です。
撤去費用
太陽光パネルは放置していても長期間に渡って発電を続けます。太陽光パネルメーカーは出力保証を20〜25年付けて出荷していることが多いですが、その期間を超えても発電を継続することは十分に期待できます。
ただし、パワーコンディショナーや設置架台など発電システム全体の老朽化や、建物屋根のリフォームの際に撤去が必要になる場合も想定しておくべきでしょう。
また、太陽光パネルは鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質を含んでいるため、廃棄処分の際には注意が必要です。
専門業者に適切な処分を依頼する場合は、1枚あたり1万円~という高額な費用が発生する場合があることも念頭に置いておくべきでしょう。とはいえ処理技術は年々進歩しており、コストも安くなる傾向にあります。
太陽光パネルの価格まとめ
太陽光パネルの価格と、設置費用を安く抑えるためのポイントを紹介してきました。
固定価格買取制度(FIT)による売電単価は年々下がっていますが、FITにより太陽光パネルが広く世の中に普及したことにより、設置費用もコストダウンを続けています。
蓄電池やV2Hとの組み合わせで自家消費を拡大する方法も各種出てきていますので、住宅に太陽光発電を導入するメリットは、引き続き非常に大きいものがあります。
各自治体が独自に用意している補助金制度もありますので、この記事を参考にご自宅へ太陽光パネルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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