特集

美の場をつくる、整理収納術。

執筆者
佐藤 慶子(整理収納アドバイザー/大人の片づけインストラクター)

 みんなで出かけたあの秋の日が、人生最高の想い出に・・・。家族イベントに最適な季節の到来で、家を出た時は元気いっぱい。でも帰宅時は荷物でいっぱい、疲労困憊。そんな時に、時短でカンタン、みんなで分担できる暮らしのコツを、整理収納アドバイザーの佐藤先生にきいてみました。

 point1 
行楽シーズンで外出。 疲れて帰って来た時に、時短で家事に入るためのコツとは?


 秋は行楽の季節。家族で出かけることも多くなりますね。暑い夏とちがって自然の中に足を向けたくなります。ピクニックや旅行に行く機会も多くなることでしょう。
 しかし、帰ってきた時に部屋が散らかったままだったり、キッチンの片づけが中途半端であると、楽しかった気持ちも一気にダウンしてしまいます。特にお母さんは、帰宅後も家事の休みはありません。キッチンは使う前と同じ状態、もしくはもっとキレイにしておく方が、断然疲労度も少なくてすみます。
 そのためには少しだけ手間をかけて、キッチンを整えてから出かけることがコツです。帰宅後のスッキリ感は、イライラも消えるうえ、次の行動がサッと始められます。できれば何も出ていない状態にしておくことがベスト!帰りに購入した物を整理するにも、食事の支度を始めるにも、時短で効率的に済ませられます。
 早く家事を終わらせ、少しでも身体を休ませてあげることが、疲労回復への最短距離です。


外出の際、キッチンは、できれば何も出ていない状態にしておくことがベスト!


 point2 
毎日のお料理。手早く調理器具を取り出せて、 ストレスなく収納しておくコツとは?


 こちらは我が家のキッチン吊戸棚です。中の可動棚は、中のモノに合わせて変えてあります。天井から吊られているので、一番上は手が届きません。
 そこで、一番上に収納してあるモノは、頻度が低いモノを選んでいます。その下のモノは、キッチングッズの中でも使わない日はないくらい頻度の高いモノを収納。一軍とも言えるボール、ざる、バットなどです。それも重ねるのではなく、ワンアクションで取れるように、余裕ある間隔で収納。つまり、定位置をきっちり決めているので、場所が崩れることはありません。
 使いながら、自然とモノを整えられる利点でもあります。  


一番上の棚には手が届かないことが多い吊戸棚。使用頻度の高いモノは、手の届く高さに、余裕ある間隔で収納する。


 point3 
親のイライラも軽減。 子供が自分でできる、簡単おもちゃ収納とは?


 子供のおもちゃは、どんどん増えます。こちらのお宅は現在、幼稚園の男の子がお二人。車や電車などの乗り物系が特に多く、大きなモノから小さなモノまでいっぱいです。もちろん、この入れ物だけでは済みません。子供は気まぐれなので、日々お気に入りが変わりますが、特に気に入っているモノはこの収納ボックスに収まるだけとして、他の物は別の場所にしまってあります。
 子供にあまり細かい片づけを強いても、上手くいきません。紙におもちゃの絵を描き、しまいやすいように工夫しています。その通りにならなくても、ボックスに収まればマル!片づけには、親の大らかさも必要ですね。見た目が整っていたら、それでOK!子育て中のママも、基準を低くすればストレス軽減になりますよ。階段状の家具の上におもちゃを置くことで、乗る危険を避けているのもいいですね。
 また、「お出かけの前に、おもちゃのお片づけ」を習慣化させます。「みんなが楽しんでいる間に、おもちゃも休ませてあげようね!」 ─── こんな言葉掛けで優しい心が育まれれば、「いいしつけ」にもなりますね!

収納ボックスの紙におもちゃの絵を描き、しまいやすいよう工夫。「お出かけの前に、おもちゃのお片づけ」を習慣化させる。


■pointまとめ
(1)出かける前には少しだけ手間をかけて、キッチンを整えてから出かける
(2)モノの定位置を決めておけば、奥様だけでなくご主人も家事に参加しやすい
(3)収納ボックスにおもちゃの絵を描くことで、子供が自分で片づける仕組みをつくる