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静岡県は移住先に人気!その魅力と注意点、家づくりのポイントを伝授!

執筆者
ライター:Tsun (2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

静岡県は移住やUターンを考える人に人気です。富士山の雄大な姿や四季折々の風情が魅力の静岡県は、多くの人にとって移住先の選択肢となっています。

この記事では、静岡県のリアルな生活情報や、移住で失敗しないためのポイントを詳しく解説します。

地域の文化、食の魅力から空き家問題、助成金事情まで、静岡県の魅力とともにその実態を深く掘り下げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

静岡県における移住の現状

静岡県は、豊かな自然や文化、アクセスの良さなど多くの魅力を持つ地域で、移住先としての人気が急上昇しています。

ここでは、その背景や静岡県の現状について詳しく解説していきます。暮らしをイメージしながら読んでみてください。 

移住者数は過去最多

2022年、静岡県内への移住者は2,634人と前年比で41%増加しました。特に、県内18市町での増加が顕著で、静岡市は前年比で1.6倍の増加を記録しています。

移住者増加の背景には、静岡県の住環境としての魅力や移住コーディネーター、住宅助成などの施策が影響しているとされています。

移住コーディネーターは、移住希望者と受け入れ地域を結ぶ役割を果たす専門家です。移住希望者のニーズに合わせて、最適な地域や住居を紹介したり、移住後の生活や仕事のサポートを行ったりします。

また、住宅助成は、移住者が新たに住宅を購入や建築する際に、一部の費用を補助する制度で、移住を促進するための施策です。

2022年の静岡県への移住相談件数は1万3,496件と、前年よりも1,855件増加しており、特に20代からの相談が34.3%と最も多く、静岡県の魅力が幅広い世代に伝わっていることが伺えます。

参考:静岡県「令和4年度移住者数・移住相談件数」

移住希望地ランキング1位

静岡県は移住者だけでなく、移住を希望する方からも高い評価を受けています。

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが行った調査によると、2022年における移住希望地の窓口相談件数で静岡県は3年連続の全国1位を獲得しました。静岡県への移住希望が非常に多く、20代から70代までの幅広い世代で最も多い相談件数があります。

これは、静岡県が持つ多彩な魅力や、県の積極的な移住支援策が評価されている結果と言えるでしょう。

なお、ふるさと回帰支援センターは、地域おこし協力隊や移住・定住を希望する人をサポートするための組織で、全国の自治体や関連団体と連携し、移住・定住の情報提供や相談、各種イベントの開催などを行っています。

移住やUターンを検討している方は、一度セミナー等に参加してみてもよいかもしれません。

どこがいい?静岡県にある移住先としての魅力

静岡県には豊かな自然や気候、文化、アクセスの良さなど、多くの魅力があり、移住先としての人気が集まっています。四季折々の美しい風景や心温まる地域性も人気の理由です。静岡県なら都会の喧騒から解放され、自然と共に過ごす穏やかな日々を実感できるでしょう。

ここでは、静岡県の魅力や特徴について紹介します。

暮らしやすい気候

静岡県は山岳地域を除いて、温暖な気候が特徴の地域です。

特に静岡市では、平均気温が27.7℃と過ごしやすく、雪はほとんど降らないため雪害の心配がありません。寒冷地と異なり寒すぎず、暖房代が抑えられるというのも魅力の1つです。

夏場は東京と変わらない気温で、海に面しているため海風が心地よく感じられます。

窓を開け放って過ごす快適な日々が、家族との団らんをより特別なものにするでしょう。特に子育て中のご家庭や、自然を感じながらのんびりとした生活を求める方におすすめです。

豊富な自然

静岡県は豊かな自然環境で知られ、アウトドアやレジャーを楽しむために多くの人が訪れます。この地域の象徴とも言えるのが、日本最高峰の富士山です。その雄大な姿は、人々を魅了し続けています。また駿河湾に面しているため、海辺での生活を実現したり、新鮮な海の幸を楽しんだりできる点も魅力です。

豊富な自然に囲まれた静岡県には多種多様な動植物が生息しており、四季折々の風景が楽しめます。春には桜の花が咲き乱れ、夏には海風が心地よく、秋には山々が紅葉で美しく、冬は温暖で過ごしやすい地域です。

静岡県での生活は、自然との共生を実感しながら心身ともにリフレッシュし、日常を豊かに過ごせるようになるでしょう。

コンパクトシティ

静岡県を代表する都市である静岡市は、あらゆる施設が集まるコンパクトシティです。

静岡市はショッピング施設、文化施設、行政機関、美術館、大学などさまざまな施設が近接して配置されています。そのため日常の生活や用事を自転車だけで済ませられ、自動車を持たない生活も実現可能です。

ショッピングモールやレストラン、カフェなど日常の必需品を買い揃えるお店や、落ち着いた時間を過ごしたいときに利用できるお店も豊富にあります。また文化的施設もあり、移住者や観光客にとっても魅力的な場所といえるでしょう。

また県庁所在地としての役割も果たしており、行政サービスも手厚く、移住者にとっては大きなメリットとなっています。

静岡市での生活は都市の利便性と自然の豊かさを両立させた、理想的なものといえるでしょう。

アクセス環境が良好

静岡県は、日本の主要都市である東京と大阪の中間に位置しており、交通の要所としての役割を果たしています。このような地理的位置から、静岡県は東海道新幹線や高速道路のネットワークが発展しており、移動の利便性が高い地域です。

特に東海道新幹線は静岡県内に複数の駅を持ち、通勤や日常の移動が便利になっています。新幹線の駅が多いことで都市部と地方部との連携を強化し、ビジネスや観光の活性化にも寄与しているといえるでしょう。

また新幹線の駅周辺は、生活の利便性が高いエリアとして注目されており、多くの人々が集まる活気ある場所となっています。

さらに、静岡県には高速道路のインターチェンジも豊富です。具体的には、東名高速道路には24箇所、新東名高速道路には16箇所のインターチェンジがあり、これにより県内各地へのアクセスが大幅に向上しています。

また、静岡県は空港も整備されているためさまざまな移動手段を選択できます。

静岡県を移住先に選ぶ理由として、優れた交通インフラは外せない要素の1つと言えるでしょう。

子育て支援が充実

静岡県では、子育て家庭をサポートするためのさまざまな施策が実施されています。

例えば「しずおか子育て優待カード事業」では、18歳未満の子どもを同伴した保護者や妊娠中の方が、協賛店舗・施設ごとに決められた「応援サービス」を受けられます。

静岡県と県内市町が協働して取り組んでいる「応援サービス」は、協賛店舗・施設の負担によるものです。

その他、子ども医療費助成や就園奨励費補助など、安心して子育てができる制度が豊富で、市町ごとに独自の子育て支援策が取られています。詳しい情報は「ふじさんっこ子育てナビ」で確認してみましょう。

静岡県は各種の補助やサポートが充実しており、子育て家庭をしっかりとバックアップしています。

食の魅力が多彩

静岡県は、豊かな自然環境と気候の恵みを受けて、多彩な食の魅力を持つ地域として知られています。

ここでは、特に代表的な食材や料理をいくつか紹介します。静岡県の食文化の深さを感じられることでしょう。

まず、静岡県といえば茶葉が有名です。静岡県は茶葉の産出額が全国第1位であり、特に金色の普通煎茶や深蒸煎茶は上質な味と香りで多くの人を魅了しています。

茶葉は、静岡県の豊かな土壌と適度な湿度、熟練の技術によって生み出される、まさに静岡の誇りと言える逸品です。

さらに静岡県はメロンやいちご、みかんなど、甘くてジューシーな果物の宝庫です。これらの果物は、静岡県の温暖な気候と肥沃(ひよく)な土壌のおかげで、糖度が高く、風味豊かに育ちます。

静岡県の海産物も見逃せません。温泉地として有名な伊豆半島は海に囲まれており、新鮮な海の幸が次々とあがってきます。特に、伊豆のアワビやサザエは、その新鮮さと味わいで多くの食通をうならせるほどです。

最後に「静岡おでん」や「浜松餃子」も外せません。これらの料理は、地元の人の食卓を彩るだけでなく、訪れる観光客にも人気があります。

このように、静岡県は食の宝庫として多くの魅力を持っています。

失敗・後悔を回避!知っておきたい移住時の注意点

静岡県への移住には多くの魅力がありますが、注意すべきポイントも存在します。

ここでは、移住を成功させるための注意点を紹介します。

都市部での人口減少の加速

静岡県の都市部での人口減少は、移住を検討する際に知っておくべき重要な情報です。

静岡市は県の中心でありながら、人口減少の波が押し寄せています。人口減少により空き家の数も増加しており、放置された空き家は安全上のリスクや景観の悪化につながる社会問題です。

このような状況の中、静岡県は空き家問題の解決策として、移住を促進するさまざまな支援策を打ち出しています。

具体的には、移住者に対する補助金や空き家の改修・リノベーションを支援する補助金制度などです。移住希望者は空き家の補助金制度を活用することで、新しい生活を手頃なコストで実現できます。

静岡県は現在の課題をチャンスと捉え、新たな住民を迎え入れるための取り組みを積極的に進めています。移住を検討する際には、補助金制度などの支援策を活用し、新しい生活を築く手助けとして利用するとよいでしょう。

車がないと不便

静岡県は美しい自然や文化、歴史的背景により、魅力的な移住先として注目されています。しかし、広大な土地と多様な地域性を持つ静岡県では、日常の移動手段として車が必要となる場面が多いのも事実です。

大都市圏に比べると、公共交通機関の選択肢や頻度は限られており、特に静岡県内の地方部では車がないと生活が難しいエリアもあります。また、新幹線も静岡県内の一部の駅では停車しないため、移動の際には交通手段も考慮して、計画的に行動する必要があるでしょう。

ただ、車を利用するからこそ感じられる静岡県の魅力もあります。ドライブを楽しみながら、県内の隠れた名所や美味しいグルメを発見するのもよいでしょう。

移住を考える際には、静岡県の交通事情を十分に理解し、生活の一部として受け入れることが大切です。「不便」を「魅力」と捉え、新しい生活を豊かにする要素として活用してみてはいかがでしょうか。

大地震のリスク

静岡県への移住で最も考慮すべき点の1つが、大地震のリスクです。

静岡県は相模トラフ巨大地震と南海トラフ巨大地震の影響を受ける地域として知られており、これらの地震が発生した場合、甚大な被害が予想されます。

具体的には、相模トラフ巨大地震では最大で20メートルの津波が、南海トラフ巨大地震では最大34メートルの津波が発生する可能性が指摘されています。これらの数字は想像を超えるものであり、十分な備えが必要です。

移住を考える際には、災害のリスクをしっかりと認識し、適切な地域や住居を選びましょう。また日常生活においても、地震対策や避難訓練を定期的に行い、常に備えを心掛けることが大切です。

参考:静岡県庁「静岡県津波浸水想定」

地域によって異なる文化

静岡県は広大な面積を持ち、多様な文化や特色が息づいています。移住を考える際、地域ごとの多様性を理解しておきましょう。

例えば、静岡市周辺はおっとりとした雰囲気や伝統的な文化が色濃く残る地域として知られています。一方、浜松市周辺は積極的な人が多く、経済的な活動が盛んな地域としての特性があります。

地域ごとの特色を理解し、ライフスタイルや価値観に合った場所を選び、それを味わえる余裕があるとよいかもしれません。例えば、静岡市の伝統的なお祭りに参加するなど、地域の文化や特色を楽しむことで、新しい生活に彩りを加えられそうです。

移住を考える際には、静岡県内の異なる地域の特性を理解し、それぞれの地域の魅力を味わいながら充実した生活を送りましょう。

静岡県が実施する移住支援制度

静岡県は起業家や移住を検討する方々に向けて、多彩な支援制度を提供しています。これらの制度は新しい生活のスタートをサポートし、静岡県での生活をより快適に過ごすための手助けとなるでしょう。

具体的な支援制度を紹介します。

■静岡県移住・就業支援金制度

静岡県では、新たに県内での就業を検討する方や、起業を考える方を対象に提供される支援金です。新しい職場やビジネスの立ち上げに必要な初期費用の負担を軽減できます。

詳細はこちら:https://iju.pref.shizuoka.jp/sol_support/prefecture

■省エネ住宅新築等補助制度

脱炭素社会の実現に向け、省エネルギー性能が高い住宅の新築、購入に対して補助金がもらえる制度です。定額40万円のほか、しずおか優良木材等を一定割合使用した場合はさらに補助金が加算されます。

■自治体独自の支援

静岡県内の各自治体も、独自の支援制度を展開しています。例えば、富士宮市では移住者に対する奨励金、静岡市では新たな住宅取得の際の報奨金や空き家改修の補助、浜松市では住宅取得費の補助など、多岐にわたる支援が行われています。

各自治体の詳しい制度や申請方法などはゆとりすと静岡の公式サイトで確認可能です。

移住先の静岡県で家を建てる際のポイント

静岡県で家を建てる際には、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

■自然の豊かさを活かす

静岡県は富士山をはじめ、山、川、森、海など、自然が豊かです。家を建てる際には、自然を最大限に活かしたデザインや配置、自然を感じられる立地などを考えると、快適な生活が楽しめるでしょう。

■交通アクセスの確認

静岡県は広く、交通アクセスが良い地域もあれば、不便な地域もあります。家を建てる場所の近くには、どのような交通手段があるのか、また、日常生活で必要な施設へのアクセスは便利かどうかの確認が重要です。

■地域の特色を活かした食生活

静岡県にはお茶やわさびなど多くの特産品があります。これらの特産品を活かした食生活を楽しめるエリアに住むのも、静岡県で生活する魅力の1つです。

■災害対策

静岡県は東海地震(南海トラフ地震)のリスクが高いと言われています。また、山岳地帯や傾斜地、海や川も多いため、災害が起こったときの備えも必要です。家を建てる場所のハザードマップや住宅の耐震性などをチェックし、適切に対策しましょう。

■生活の利便性を確認

人口の多い市や主要駅周辺では生活が便利ですが、自然豊かな地域では、スーパーや飲食店などの施設が近くにない場合もあります。家を建てる前に、生活の利便性を確認しておきましょう。

静岡県での生活は、自然や食べ物、アクセスの良さなど、多くの魅力があります。しかし、家を建てる際には上記のポイントを考慮し、ライフスタイルや希望に合った場所の選択が大切です。

まとめ

静岡県は、豊かな自然や文化、アクセスの利便性そして多彩な移住支援制度を持つ魅力的な移住先として多くの人に注目されています。

都市部の人口減少や空き家問題、交通の不便なエリア、大地震のリスク、地域ごとの異なる文化など、移住を考える際に知っておきたいポイントを紹介しました。

静岡県での家づくりを検討する際には、紹介したポイントを考慮しつつ、県が提供する補助金や助成金の活用によって、より快適な生活を実現できるでしょう。

静岡県での家づくりをご検討の方は、県内最大の住宅展示場であるSBSマイホームセンターにぜひお越しください。県内には9か所の展示場があり、最新の住宅情報やトレンドがわかります。

専門家のアドバイスを受けながら、理想の家づくりを実現しましょう。静岡県での新しい生活を、全力でサポートいたします。

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