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建築・間取り

2024年11月30日 (土)

リビングのレイアウトは「動線」を意識した家具配置がポイント!~家族が快適に暮らせる家づくり~

執筆者のイメージ
木内菜穂子
ファイナンシャル・プランニング技能士

リビングは家族がゆったりと過ごせるような家具配置と動線確保が大切です。家族のコミュニケーションをとるために、リビングの空間を上手に活用するためのポイントをご紹介します。

リビングは、家族がコミュニケーションをとるために大切なスペースです。より快適な空間にするためには、動線を考慮した家具配置を検討することが大切です。
家族が行き来する際にお互いにぶつかりそうになったり、家事をする際に家具が邪魔になったりしないように、適度なスペースを確保しましょう。
本記事では、リビングの空間を上手に活用し、家族それぞれがゆったりと過ごせるような家具配置と動線確保のポイントを解説していきます。

リビングの家具配置と動線が快適な暮らしを左右する理由

リビングを快適で居心地の良い空間にするには、家具配置と動線がポイントです。人が移動しやすく、使いやすい家具配置にすることで、家族が集まりやすい環境づくりができます。

リビングは家族が最も長く過ごす空間

リビングは、家族が一日を通して最も長い時間を過ごす場所です。テレビを見たり食事をしながら、家族のだんらんやコミュニケーションをとっています。
また近年では、リビングに対する考え方も多様性のあるものになっています。単に家族が集まるだけでなく、一人ひとりがそれぞれの時間を過ごすために使われることも珍しくありません。
お子さまの宿題や一人遊びなど、以前は子ども部屋でするのが一般的だったこともリビングで行っている家庭も増えているようです。
大人もリモートワークが一般的なものになった結果、仕事をリビングでこなすケースもあるでしょう。このように、リビングは同じ空間でそれぞれが自由に好きなことをできる空間に変容しつつあるのです。

家具配置と動線次第で暮らしやすさが大きく変わる

リビングが快適な空間であると暮らしやすい毎日が実現しますが、家具の配置や動線の確保次第では、不便な思いをする可能性があります。
家具同士の間隔が狭いと、ぶつかってけがをする恐れがあるほか、掃除しづらく清潔な状態を保ちづらくなるでしょう。
また、家具の配置によっては空間が狭く感じられ、圧迫感を与えてしまうかもしれません。家具が動線をふさいでいると、スムーズな移動ができずストレスの元になります。
子どもの成長や生活スタイルの変化などに合わせて、安全に配慮した家具配置と動線の確保を、定期的に見直すことが必要です。

リビングの家具配置を考える前に知っておきたい生活動線の基本知識

家族にとって心地よい空間のリビングを作るために、家具の配置や生活動線の基本的な知識について確認しておきましょう。

生活動線とは?

生活動線とは、日常生活において人が移動する経路のことをいいます。主に家事動線・通勤動線・衛生動線・来客動線の4つがあります。これらの動線を意識して家具を配置することが、ストレスなく快適な暮らしのカギになるでしょう。

【家事動線】
家事動線とは、料理や洗濯などの家事をする際に移動する経路のことです。効率的な動線を考えて家具を配置すると、ストレスなく家事がこなせます。

【通勤動線】
通勤動線とは、出勤や登校の際に通る経路のことです。短時間に複数人の移動が集中し混雑してしまう傾向があるため、廊下を広くとったり、玄関の収納スペースにゆとりをもたせるなどの工夫がポイントです。

【衛生動線】
衛生動線とは、トイレやバスルームへの経路のことです。ほかの部屋を通らずにどの部屋からでも移動しやすくするほか、なるべく近くにまとめて外出時に準備しやすくすると良いでしょう。1ヵ所にまとめると、配管工事費用を抑える効果も期待できます。

【来客動線】
来客動線とは、お客様がみえたときに案内する経路のことです。ほかの部屋を見せずにリビングや応接室などに通せるような動線を確保すると、お互いに気を遣わずに済みます。

人が通るために必要な最低限の幅・通路幅

大人1人が通るために必要な幅は、一般的に約60cm以上とされています。買い物袋や洗濯かごといった荷物を持っている場合は、その分を考慮して最低でも70〜80cm以上必要です。
また、大人2人がすれ違うには約100〜120cm以上は必要になります。人のすれ違いも考えて工夫しながらリビングの家具を配置しましょう。

縦長・横長リビングで変わる家具配置のコツ

リビングが縦長か横長かによって、家具配置のコツが異なります。リビングに置く家具にはさまざまなものがありますが、特に大きなものとしてダイニングテーブル・ソファ・テレビボードがあり、それらの配置によって確保できる動線が違ってきます。
縦長リビングの場合は、大きめな家具を壁に付けて通路を広く取るのがおすすめです。ソファを壁や窓際に配置したり、ダイニングテーブルをカウンターキッチンに横付けしたりすると、空間にゆとりが出ます。
横長リビングは比較的大きな窓が設置されていることが多く、入り口から窓への経路を確保することがポイントです。カーテンや窓を開ける際や、洗濯物を干す際にスムーズに移動できます。窓からの光を有効活用できるような家具配置を検討しましょう。

快適なリビングを実現する家具配置と動線のポイント

動線を考えた家具配置のポイントには、以下の3つがあります。

ソファとテレビの距離は画面の高さの約3倍が目安

テレビを視聴するのに最適な距離は、一般的に「画面の高さの3倍」とされているので、この距離は確保しましょう。また、テレビボードを置く場合は、ソファとの距離を60〜80cm以上空けると、通路としてのスペースを確保できます。
なお、4Kテレビの場合は、ソファとの距離が「画面の高さの1.5倍」の距離でも良いとされています。画面の解像度が高い分、画面に近づいてもきれいに見えるためです。
テレビの種類や大きさに応じて、適切な距離をとりましょう。

ソファとテーブルの間隔は30~50cmが最適

ソファとリビングテーブルの最適な距離は、使いやすさや安全性を考えて、30〜50cmが適しています。間隔が狭いと窮屈に感じる一方で、離れすぎていると手が届かなくなってしまうためです。
標準的なソファの高さは40cmほどであることが多く、この場合は30〜50cmの間隔があると、座る際や立ち上がる際の動作に支障をきたしません。ソファの高さが低めの場合は、足を延ばすスペースがより必要になるため、さらにゆとりを持った間隔にすると良いでしょう。

来客時も快適に過ごせる家具配置

お客様をリビングに通す場合は、快適な時間を過ごしてもらうために家具配置にもこだわりたいものです。リビングの中央にテーブルを置き、その周りをソファで囲むと、ゆとりを持ったくつろぎ空間を作れます。
その際、軽量なソファを選ぶと移動させやすいため、お客様の人数などによって最適なレイアウトに変更できます。
小さな子どもがいる場合はリビングにキッズスペースを作ることが多いですが、来客があっても慌てないように、ソファを子どもの遊ぶ場所から少し離れた位置に配置するのがおすすめです。散らかったおもちゃをすぐにしまえるような収納場所も確保しておくとよいでしょう。

家族構成やライフステージに合わせて変化させるリビングレイアウト

最適なリビングのレイアウトは、家族構成やライフステージ等により異なります。そこで、以下のケースごとに、レイアウトの工夫のポイントを解説していきます。

夫婦二人暮らしのご家庭

夫婦二人で暮らす場合のリビングは、広さやライフスタイルに合わせてレイアウトを工夫すると良いでしょう。いかに二人の時間をストレスなく楽しく過ごせるかがポイントになります。
部屋の広さが十分にあれば、ダイニングテーブルとソファを離れた場所におき、食事スペースとリラックススペースを分けることが可能です。
広さが十分に取れない場合は、リビングとダイニングを合わせるのもひとつの方法です。その際は食事の準備がしやすいよう、キッチンからテーブルまでの動線を確保しましょう。
また、二人それぞれが在宅ワークをする場合は、ダイニングテーブルのほかにデスクを置く方法があります。集中しやすいように方向を調整するのがポイントです。

幼児期の子どもがいるご家庭

幼児期の子どもがいるご家庭では、子どもの成長に合わせてレイアウトを変えていくのがおすすめです。
赤ちゃん期は、キッズサークルを置いたりラグマットで専用スペースを作ったりして、赤ちゃんの安全を最優先するレイアウトにしましょう。
ソファとテレビの間に赤ちゃんのスペースを作っておくと、テレビを見ながらでも赤ちゃんの異変にすぐに気づくことができます。
子どもが安全に遊べるように、キッズスペースと生活動線がぶつからないよう家具配置を工夫してみましょう。

学童期の子どもがいるご家庭

小学校に入学したら、子どもの自立心をはぐくめるようなリビングづくりを心がけましょう。子ども用の学習机は、子ども部屋に置くご家庭も多いですが、リビングに置くのもひとつの方法です。部屋のコーナーにキッズスペースを作ると、来客があった際もあわててスペースを空けずに済みます。
また、本棚や収納家具を置けば、子どものものが散らばらないうえに、自分で片付ける力も身につき一石二鳥です。
学童期の子どもには「自分の居場所」をはっきりと作ってあげることが大切です。家具配置で仕切りを作り、子どもが自分の時間を持てるように工夫してみましょう。

二世帯・三世帯のご家庭

二世帯や三世帯で暮らすご家庭の場合は、世帯同士のプライバシーを保ちつつ、適度なコミュニケーションをとれるかどうかがポイントです。このバランスを取る上で、リビングがその役割を果たすことができます。
リビングを共有する際には、生活動線を確保しつつも、高齢者でも安心してくつろげるように段差をなくしたり、安全な家具配置にしたりする必要があります。また、生活リズムが異なる場合は、音が響きにくい床や壁、家具を使用するなどの配慮も必要です。
1つの家に暮らす人数が多くなるため、その分よりゆとりを持った収納スペースを確保することも検討しましょう。

リビングの家具配置や動線を工夫して快適な暮らしを目指そう

リビングは、家族のだんらんに大切な空間です。それぞれが快適に過ごせるように、生活動線を意識した家具配置を検討することがポイントです。

家族に適した家具配置は、子どもの年齢や住んでいる人数によって異なります。子どもが小さいうちは家事をしながら見守れるような工夫が必要で、二世帯・三世帯で住む場合は高齢者に配慮した家具配置を考える必要があります。

家族の人数やライフスタイルなどに合わせて、レイアウトを柔軟に変化させていきましょう。

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