静岡県で新しい暮らしをスタートさせるために土地選びは重要です。
土地探しは家づくりの第一歩であり、その後の生活にも大きな影響があるでしょう。
ただ、土地を探していると「どの土地が良いのかわからない」「土地選びのポイントを教えてほしい」といった疑問やニーズが生まれるものです。
そこで本記事では、静岡県内の地価動向や市町村別の詳細なデータをもとに、賢い土地選びのポイントを解説します。また、購入時の注意点や、土地選びのコツもご紹介しますので、理想の土地選びに役立ててください。
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静岡県の地価状況から見る土地事情
静岡県の公示地価平均は住宅地で7万1,600円、商業地で14万6,505円/㎡、工業地が4万9,567円/㎡で、県全体全用途の平均が8万8,400円/㎡となっています。
(引用元:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/052/699/r5koujigaiyou.pdf)
前年比で見ると、住宅地と商業地はほぼ横ばいを保ち、工業地がわずかながら上昇している状況です。
静岡県内の地価は住宅地と商業地では下落傾向に見えますが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から回復し、経済活動を取り戻していく中で一部の観光地の地価は上昇しています。
特に熱海などの観光地や便利な住宅地、交通アクセスの良い工業地の地価は上昇傾向にあり、人気は健在といえるでしょう。
ここからは、静岡県の地価の現状とその要因を探っていきます。
都道府県別の地価状況
2023年の公示地価を見ると、東京都が圧倒的な価格でトップを維持しています。一方で、静岡県は平均で1平方メートルあたり8万8,403円、坪単価で平均29万2,241円で14位に位置する価格です。変動率は前年比でわずかにマイナスの-0.39%となっています。(引用元:https://tochidai.info/public-price_change-rate_prefecture-ranking/#:~:text=2241%E5%86%86/%E5%9D%AA-,%2D0.39%EF%BC%85,-34%E4%BD%8D)
地価はあらゆる要素に影響を受けますが、静岡県の場合、観光地としての人気や東京圏とのアクセスの良さなどがポジティブに作用していると考えられます。また、海や山などの自然が豊富なエリアがある点も人気の要因といえるでしょう。
一方で、地方都市部では人口減少の影響を受け地価の下落が見られる地域も存在します。
静岡県内で住宅購入を検討される際には、エリアごとの地価の動向を把握し、将来的な価値の変動も考慮に入れると良いでしょう。
市町村別の地価状況
参照:令和5年地価公示結果
参照:令和5年地価公示結果
静岡県公式HPに掲載されている令和5年地価公示結果を参照すると、住宅地・商業地ともにTOP3にランクインしているのは静岡市のみです。
県内には特色のある地域が多く、それぞれにメリットがあるため各地域の動向が異なります。
ここでは静岡県における以下8つの主要な市の地価動向を詳しく見ていきましょう。
●静岡市
●三島市
●浜松市
●沼津市
●磐田市
●富士市
●藤枝市
●熱海市
●静岡市
静岡市内は県内でも有数の人気エリアです。ただし市内でも地域ごとに地価にばらつきがあり、価格が下落しているところもあります。
2023年の静岡市の地価は、公示地価が平均15万7,632円/㎡、坪単価で52万1,099円となっています。公示地価の前年比変動率は-0.02%であり、若干の下落ながらも堅調に推移しているといえるでしょう。
静岡市内では特に葵区と駿河区で住宅地の地価上昇が見られます。中でも馬渕や津島町、曲金あたりは静岡駅、東静岡駅が近く利便性が良いうえ、商業施設も集まっている注目のエリアです。
商業地の地価も上昇傾向にあり、昭和町や人宿町ではテナントの問い合わせが増加しています。一方で清水区は津波リスクを抱える沿岸部ということで、住宅地の地価が下落しています。
●三島市
三島駅周辺は市街地が広がり、中規模都市としての賑わいを見せており、ショッピングやグルメ、観光など、多くの楽しみが詰まったエリアとなっています。
三島市の地価は、2023年の公示地価が平均12万2,923円/㎡(坪単価40万6,359円)で、前年比の変動率は-0.05%です。三島市の地価は直近10年間でほぼ横ばいとなっており、地価が安定した人気エリアといえるでしょう。
過去のデータを見ると、公示地価の最高値は1992年の36万3,411円/㎡、最低値は2007年の11万9,568円/㎡です。
三島市は東海道新幹線、JR東海道線、伊豆箱根鉄道駿豆線が通っており、利便性が高い点も人気の理由となっています。特に三島駅には3路線が乗り入れており、東京駅まで約50分のため、都内への通勤も可能なエリアです。
●浜松市
浜松市の地価は、最新の公示地価が平均8万7,463円/㎡(坪単価28万9,137円)となっており、前年比で変動率+0.17%を記録しています。
浜松市内を地域別に見ると、商業地では中区と東区が価格上昇を見せており、特に中心市街地では地価の回復が顕著です。住宅地においても中区の変動率はプラスとなっています。
遠州鉄道沿線では高値での取引が目立ち、特に北区の商業地は新しい病院や福祉施設を建設中で、地価は上昇傾向です。
浜北区の住宅地も上昇傾向にあり、需要に対して供給量の不足が見られます。
一方で天竜区では住宅地と商業地の両方で地価が下落しており、用地が限られているため取引も限定的です。
●沼津市
沼津市の最新公示地価は、平均10万1,565円/㎡、坪単価で33万5,755円となっています。
注目すべきは、西島町や原町、小諏訪などの住宅地と商業地が2%以上も下落している点です。
沼津駅から200m以内のエリアでは20万円/㎡前後と堅調であるものの、南口エリアでは9万円台とばらつきがあり、手頃な土地が見つかりやすいとも考えられます。
沼津駅は静岡県沼津市大手町に位置し、JR東海道本線と御殿場線が利用できる交通の要所です。リゾート地としても知られる熱海駅へ約20分、静岡県の中心である静岡駅へは約55分とアクセスが良いため、住宅購入エリアとして地価動向を注視しておくと良いでしょう。
●磐田市
磐田市の2023年の公示地価は、平均で5万260円/㎡、坪単価では平均16万6,148円です。
2021年から2022年にかけての公示地価を見ると、住宅地は前年比で0.7%のマイナス、商業地も0.6%のマイナスとなっています。
磐田市はサッカーチームやラグビーチーム、ヤマハスタジアムがあるなどスポーツが根付いたエリアとして有名です。また、移住支援や教育支援、介護支援など、市民をしっかりとサポートする多くの制度が整っており、住環境として魅力的な場所といえるでしょう。
●富士市
富士市の2023年の最新公示地価は平均で6万3,418円/㎡、坪単価では平均20万9,648円となっており、全国順位は325位のエリアです。
過去9年間の動向を見ると、住宅地はアベノミクス政策がスタートしてから約9%も下落しています。
富士市は静岡県の東部に位置しており富士山が近いことで有名なエリアです。観光地としての人気はもちろん、工業地帯があるため雇用機会もあり一定の居住ニーズがあるといえるでしょう。
富士市の中でも富士駅周辺は地価が高く、沼久保駅周辺は安くなっています。住環境に求める優先順位などを考慮して、土地を探してみましょう。
●藤枝市
藤枝市の2023年の最新公示地価は平均で6万9,000円/㎡、坪単価では平均22万8,999円となっており、全国順位は295位のエリアです。
2022年の公示地価平均は6万9,024円/㎡であり、変動率は- 0.26%と下落しています。ただし2013年の公示地価が6万7284円/㎡のため、過去10年で考えると堅調な推移を見せているといえるでしょう。
また藤枝駅周辺の地価平均は8万1034円/㎡であるのに対し、西焼津駅周辺は6万4080円/㎡と20%程度安くなっています。
藤枝市は静岡県中部に位置しており、商業地や住宅地が広がるエリアです。南北に長い藤枝市は北部に山、南部に海という地理的特徴があります。
便利な立地と豊かな自然環境を求める方に、選択肢が広がる地域といえるでしょう。
●熱海市
熱海市の最新公示地価は平均で9万4,500円/㎡、坪単価では平均31万2,396円となっており、前年からの上昇率は+2.95%です。
特に注目すべきはJR熱海駅周辺の地価平均が前年比7.62%も上昇し、14万4,366円/㎡(47万7,245円/坪)となっている点です。新型コロナウィルス感染症の流行により低迷していた観光客数の回復により、市内が再び活気を取り戻しています。
店舗の出店も増加し土地の供給不足が発生している点も、地価を急激に押し上げる要因といえるでしょう。
これからの熱海市の地価動向は、観光地としての魅力を保ちつつ、どのように持続可能な発展を遂げるかがポイントとなりそうです。
なお、上記に紹介した詳細はこちらでも確認ができます。
URL:https://tochidai.info/shizuoka/
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静岡県の土地購入時のポイント
静岡県での土地購入を検討中の方に、このセクションでは購入時に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。安心して最適な土地を手に入れるためのステップを、一緒に見ていきましょう。
1. 土地の相場を把握しておく
まずは土地の相場を把握しておきましょう。土地の価格は大きさや形、日当たり、周辺環境など多くの要因によって決定します。
また売り主と買い主の交渉などによっても売買価格が上下するため、1つの事例を取り上げて適正な価格を把握することはできません。エリアの全体的な相場を把握するように心がけましょう。
全体相場を把握しておけば、価格の適正性も判断でき査定価格と売り出し価格の差を交渉材料にできます。
ここで土地の相場を把握するために重要な、4つの地価について理解しておきましょう。
参照:日本FP協会
中でも「実勢価格」は実際の売買価格の参考になりますが、公示価格、路線価、固定資産税評価額なども併せてチェックし、複数の情報を組み合わせて適正価格を見極めましょう。
2. 購入前に入念な調査を行う
土地の購入前には、入念な調査を行いましょう。
土地選びは、将来の生活を左右する重要なステップです。ネットや不動産会社の資料を眺めるだけではなく、複数回の現地訪問によって実際の暮らしをイメージできます。
時間帯や天候が異なれば街の印象が変わりますし、購入までに時間の余裕があれば季節を変えて見に行っても良いでしょう。晴れの日は良い環境に見えても、雨の日には排水が悪く道路の水が貯まりやすいなどの可能性もあります。また夏場は日当たりが良くても、太陽が低い冬場は建物の陰になることもあるでしょう。
さらに街全体の雰囲気や住民の様子も観察し、地域情報を収集すれば、日常生活のイメージが湧きます。
不動産広告には価格以外の重要事項が記載されていますが、不明点や気になる点は積極的に不動産会社に確認しましょう。土地の形状、権利関係、建築制限、地中の障害物なども詳細に調査し、全ての情報を基に慎重な検討を行うことが後悔のない土地選びに繋がります。
3. 価格だけを見て判断するのは危険
土地を選ぶ際、価格だけを見て判断するのは危険です。
価格が安い土地には、あらゆるデメリットが潜んでいる可能性があります。以下の点に十分に注意しましょう。
● 土地購入時の価格以外の注意点
●土地の形状
●地盤
●法的な制約
●過去の事件
など
形状が不規則な場合、建物の建築計画に制限が生まれる可能性があります。また地盤が弱い場所では、地盤補強のための追加コストが発生するかもしれません。地盤の補強には数百万円かかるケースもあります。念入りに調べましょう。
土地に関する法的な制約も、建築計画に支障をきたす可能性があります。特に建築計画に影響のある建ぺい率、容積率は押さえておくと良いでしょう。
参照:国土交通省
引用元:沼津市
安い価格に惹かれる前に、各土地の固有の条件を把握して希望する条件と合致するかしっかりと確認しておきましょう。
4. さまざまな角度から条件を確認する
土地選びは価格や大きさだけでなく、様々な角度から条件を確認しましょう。
購入する土地を選ぶことは、これからの生活を営む街やエリアを決めるということです。
具体的には商業施設や病院の充実度、通勤や通学の利便性、交通機関の本数やラッシュ時の混雑具合、急な異動があった場合のアクセスなども考慮に入れると良いでしょう。
そして将来の住環境も考慮し、再開発計画なども確認しておくと長く快適に暮らせる土地を見つけられる可能性が高まるはずです。
まとめ
静岡県内での土地購入を検討されている方にとって、地価の動向や地域への理解は大切です。
本記事では静岡県や主要な市の地価状況を詳細にご紹介し、土地購入時のポイントも解説しました。快適な住環境を築く手助けとなっていれば幸いです。
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