WebコラムPick UP MYHOME

住宅設備コラム記事のサムネイル
住宅設備

2025年11月30日 (日)

全館空調のメリット・デメリットとは?快適性とコストを徹底比較

住宅の性能向上が進む中、「全館空調」は快適な住環境をつくる設備として注目を集めています。リビングや寝室だけでなく、廊下や脱衣室まで温度を一定に保つことができるため、暮らしの質が大きく向上するという声も少なくありません。

一方で、「費用は高いのでは?」「光熱費がかかりそう」と心配する方も多く、メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することが大切です。

本記事では、全館空調の仕組みや快適性の特徴、注意点、静岡の気候との相性までを丁寧にまとめ、家づくりの判断材料として役立つ内容を紹介します。

全館空調の仕組みを理解する

全館空調イメージ

全館空調とは、住宅全体の温度と湿度を一括管理する空調システムのことです。一般的なエアコンとは異なり、1台または少数の空調ユニットから家じゅうの各部屋へ空気を送り込むことで、家全体を均一な環境に保ちます。

主な方式には以下があります。

● セントラル方式(ダクト式)

天井裏や床下などに張り巡らされたダクトを通して冷暖房した空気を各部屋に届ける方式。
・家全体の温度が均一
・温度ムラが少ない
・空調機が露出しない
といった特徴があります。

● 各室ファン方式(ダクトレス)

各部屋に小型ファンを設け、空調機からの空気を効率的に循環させる方式。
ダクト式より導入ハードルが低い点がメリットです。

● 床下空調方式

床下で暖気・冷気を作り、室内へ緩やかに広げる方法。
家全体がふんわりとした温度感になりやすく、冬の底冷え対策に有効です。

どの方式も、適切な気密・断熱性能があることで、安定した室内環境を維持しやすくなります。


導入するメリットと快適性の特徴

全館空調の最大の価値は、「住宅全体の温度が揃う」という点にあります。具体的には次のようなメリットが挙げられます。

● 1. 家中どこでも同じ温度で快適

廊下・洗面室・トイレ・寝室まで温度がほぼ均一になり、夏の蒸し暑さや冬の寒さによるストレスが軽減されます。
ヒートショックのリスク低減にもつながります。

● 2. 温度ムラのない空間で身体への負担が少ない

急激な温度差がないため、身体が感じる負荷が減り、子どもから高齢の方まで暮らしやすくなります。

● 3. 部屋ごとにエアコンを付けたり消したりする手間がない

生活動線に気温差がないため、空調のON/OFF操作が減り、温度管理がシンプルになります。

● 4. 室内の空気管理がしやすく健康的

換気と空調が組み合わさったシステムでは、
・花粉やホコリを除去
・空気を循環させてカビを抑える
などの効果も期待できます。

● 5. 見た目がすっきりする

壁掛けエアコンが不要になるため、室内デザインを損なわない点も魅力です。

全館空調は単なる“快適装置”ではなく、空気環境や健康にも寄与する設備といえるでしょう。


デメリットと注意したいポイント

全館空調は魅力が多い一方、注意しておくべき点も存在します。

● 1. 初期費用が高くなる

一般的なエアコンより導入費用が高くなる傾向があります。
家全体を対象とする分、設備と施工のコストが増加しやすい点は理解が必要です。

● 2. 停電時は空調が止まる

全館空調はシステム一括管理のため、停電時に動かなくなる可能性があります。
蓄電池や非常電源の検討が安心につながります。

● 3. 家の断熱・気密性能が十分でないと効果が発揮されにくい

全館空調は「高断熱×高気密」を前提とした設備です。
性能が不足していると温度が安定しづらく、光熱費も増える恐れがあります。

● 4. メンテナンスが必要

フィルター清掃やダクト点検など、定期的なメンテナンスは欠かせません。

これらの点を理解したうえで、住宅性能や暮らし方に合った選択をすることが大切です。


導入費用とランニングコストの目安

家計簿イメージ

※金額は一般的な目安で、住宅の規模やシステムによって大きく変化します。

● 初期費用の目安

全館空調の導入費用は
約100万〜250万円程度
と言われることが多いです。

ダクト式・床下空調式・メーカー仕様などにより幅があります。

● 光熱費(ランニングコスト)

「全館空調は光熱費が高い」と思われがちですが、実際には住宅性能によって大きく変わるのが特徴です。

・断熱性能が高いほど空調負荷が減る
・気密性が高いほど温度ロスが少ない
・換気方式によって効率が変わる

機器効率の高いシステムでは、部屋ごとのエアコン運用より光熱費が安くなるケースもあります。


静岡の気候における全館空調の適性

静岡県は、全国的に見ると温暖で過ごしやすい気候ですが、夏は高温多湿で、冬は朝晩の冷え込みが大きい特徴があります。

こうした気候は全館空調と相性が良く、次のようなメリットが得られます。

● 夏の湿気を抑えやすい

全館空調は湿度管理が得意なため、蒸し暑さの軽減に効果的です。

● 冬の底冷えを緩和

外気温差が大きい地域では、24時間安定した暖かさの恩恵が大きくなります。

● 花粉シーズンも快適

静岡は花粉量が多いエリアもあるため、空気清浄と換気が連動した全館空調は有効に働きます。

総じて、静岡のような「夏の湿度が高く、冬は朝晩の冷え込みがある地域」では、全館空調のメリットを実感しやすいといえるでしょう。


SBSマイホームセンターへご相談ください

全館空調は、快適性を高めながら省エネにもつながる魅力的な設備です。しかし、家の性能やライフスタイルによって向き・不向きがあるため、事前の検討が欠かせません。
SBSマイホームセンターでは、複数メーカーのモデルハウスを比較しながら、全館空調の方式や特徴を実際に体感できます。専門スタッフに気軽に相談しながら、あなたの暮らしに最適な家づくりを一緒に考えませんか。

あなたのスタイルや
家づくりの段階に合わせて
住宅展示場や相談窓口を上手に活用!

このページをシェアする

facebook X LINE

おすすめ記事

住宅設備コラム記事のサムネイル 住宅設備

2024年03月25日 (月)

新築時にこそ考えたい!住まいのメンテナンススケジュール

貴重な時間とお金を費やして建てるマイホーム。長く安心・快適に暮らせる家にしたいですよね。そのためには、適切なメンテナンスが重要だとはわかっていても、新築時にそれを意識する人は少ないかもしれません。しかし家づくりの際に10年後、20年後、その先を意識することは、長期的に見ると非常に大きなメリットがあります!家の価値や快適さ、家族の健康にも大きく関わる、住まいのメンテナンススケジュールについて詳しく解

続きを読む
住宅設備コラム記事のサムネイル 住宅設備

2024年05月31日 (金)

スマートホームとはどんな家?おすすめデバイスや補助金も詳しく解説

スマートホームは毎日の生活を便利にお得にするものですが、気を付けるべき点もあります。スマートホームの詳しい内容やメリット・デメリット、おすすめのデバイスなどを解説します。 スマートホームはIoTやAIの技術により家電製品や住宅設備を一括管理でき、エネルギーの節約やセキュリティ対策などにも役立つ新しい技術として注目を浴びています。 しかし、スマートホームにはデメリットや注意点もあるため、検討する

続きを読む
住宅設備コラム記事のサムネイル 住宅設備

2025年03月31日 (月)

床暖房と全館空調の違いとは|両者を比較しどちらが良いかも解説

床暖房と全館空調の違いや、どちらを選ぶべきかを解説します。どちらも部屋を暖める機能のある設備ですが、コストや快適性、メンテナンス性などに違いがあります。 マイホームの新築やリフォームで暖房設備の導入を検討している方の中には、床暖房と全館空調のどちらが良いのかで迷っている方もいるでしょう。床暖房と全館空調は、どちらも部屋を暖める設備ですが、コストや快適性、メンテナンス性などに違いがあります。本

続きを読む
記事一覧に戻る
静岡県下最大の住宅展示場 SBSマイホームセンター 100棟以上のモデルハウスを自由に見て比較 SBS住まいの窓口 たてるら with しずぎん相談ラウンジ 約50社の中からあなたにあった住宅会社をご紹介

営業のご案内

営業時間
10:00〜17:00
休業日
第1・3・5火曜日、毎週水曜日
住宅展示場のイメージ
2025年12月
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
休業日
こちらは、SBSマイホームセンター各展示場 センターハウスの営業日時です。
モデルハウスの営業日時はそれぞれ異なりますので、各モデルハウスにお問い合わせください。