住宅設備

家事・育児をラクにする!子育て世代の理想の洗面所

執筆者
出口 恵

洗面所というと、どんな間取りを想像しますか?2畳ほどのスペースに、洗面台と洗濯機があって、お風呂ともつながっている。そんなよくある洗面所のスタイルが、最近変わってきています!今回は、洗面所の間取りづくりにおける3つのトレンドをご紹介。家族みんなが毎日使う場所だからこそ、ちょっとした不便が大きなストレスになってしまうもの…。家事も育児もラクにする、理想の洗面所づくりのヒントをお届けします。

意外と多い洗面所の役割 

[株式会社パナホーム静岡 CASART PREMIUM(三島展示場)] 

あなたにとって、洗面所はなにをする場所ですか?

 朝起きたら顔を洗って、歯磨きをして、化粧、髭剃り、ヘアセットなどの身支度をする。汚れものの仕分けをして、洗濯機にかける。洗い終わった洗濯物をそのまま洗面所に干したり、乾燥機にかけたりするお宅もあるかもしれません。帰宅後は手洗い。夜はお風呂、歯磨き。子育て中のご家庭なら、子どもの入浴や着替えを手伝う、ドライヤーをかける、週末に持ち帰る上靴を洗う、食べこぼしや泥汚れを手洗いするなどの仕事も発生しますね。その他、タオルやパジャマの収納、洗剤やシャンプー・ハンドソープなどの保管…。こうやって書き出してみると、洗面所に求められる機能は、意外と多いことがわかります。

 これまでの住宅では、これらすべてを洗面所と脱衣所を兼用した一つのスペースで行うのが一般的でした。しかし、共働き家庭の増加や新型コロナウィルスの流行などによる生活スタイルの変化にともない、洗面所についての考え方が変化しつつあります。

 キッチンと並んで家事の中心となる場所、そして家族みんなが毎日使う場所だからこそ、できる限り使い勝手のいいものにしたいですよね。現在の暮らし、そして子どもの成長にともなう変化についても想像しながら、ぜひお読みください。

 1.洗面台は玄関近くにつくる


[アキュラホーム うち時間を楽しむ暮らし 海外ドラマのようなおしゃれな家(浜松展示場)] 

コロナ禍をきっかけに、帰宅後の手洗いがこれまで以上に重要視されるようになりました。そのため、玄関からアクセスのいい場所に、独立した洗面台・手洗い場を設けるお宅が増えています。これは感染予防に限らず、来客時にもうれしい間取りとなっています。洗面所は洗濯物などで散らかりやすいスペースのため、お客様を案内するのは抵抗がある…という人は多いのではないでしょうか。その点、独立した洗面台があれば、気がねなく使ってもらうことができます。

 玄関近くに専用の手洗い場を設けるケースもありますが、スペースやコストを無駄にしないためには、次の2つのような選択肢もあります。

 ●トイレの手洗い場と、帰宅後の手洗い場を兼用にする

→トイレを玄関近くにつくり、通常、トイレ内に設ける手洗い器を外に出す。トイレと帰宅後の手洗い場を兼用するスタイル

 ●洗面化粧台を玄関近くの廊下などにつくる

→洗面・脱衣所を玄関の近くに配置。洗面化粧台だけを廊下などに出し、扉を開けなくても直接アクセスできるような場所に設ける。帰宅後の手洗い、洗面、歯磨きなどをこの一か所で行うスタイル

 2.洗面所と脱衣所を分ける

 Standard Smile Box(富士展示場)] 

[アイジーホーム Moiの家(富士展示場)] 

これまで当たり前のように兼用していた洗面所と脱衣所。それを扉や壁をへだてた別々のスペースに分ける間取りが人気を集めています。散らかりがちな洗濯関係のものを脱衣所に集約すれば、先ほどの来客時の手洗い問題も解決します。

 従来の洗面所と脱衣所が一体になっている間取りの場合、朝の忙しい時間帯に家族みんなの身支度と洗濯とを同時に行うのは大変なこと。家族が顔を洗っている足元で、汚れものを仕分ける。子どもたちが歯磨きをしている間をかきわけて、洗い上がった洗濯物を取りに行く。朝シャワーをあびる家族がいれば、さらに混みあいます…。あわただしい朝に、スムーズに身動きがとれないのはかなりのストレスですね。

 そして子どもの成長にともない、ちがった問題も起きてきます。それは、誰かがお風呂に入っていると、洗面所が使いにくいということ。特に年頃の娘さんがいるご家庭では、気をつかうことも多いのではないでしょうか。娘さんのお風呂の時間と、お父さんの帰宅時間が重なる場合は、娘さんがお風呂から上がるまで、手洗いもできない…脱いだ服を置きにもいけない…ということが発生します。お風呂に入っている間なら問題ないのですが、「今出てきたらどうしよう」と気にしながら洗面所をつかうのも、なんだか負担ですね。その点、洗面所と脱衣所が別スペースにあれば、気兼ねなく使用することができます。

 3.ランドリースペースをつくる

 [トヨタホーム東海 シンセ・フィーラス(静岡東展示場)] 

[タマホーム富士支店 大安心の家(三島展示場)] 

[福工房 袋井モデル(袋井展示場)] 

共働き家庭が増えるのにともない、天候や時間を気にせずに洗濯ができる〈室内物干しスペース〉へのニーズが高まっています。これまでの洗面所では、汚れものを仕分けて洗濯機にかけるところまでを行うのが一般的。それにプラスして、洗濯物を干して乾かすまでをできるようにするのがランドリースペースです。さらに余裕があれば、乾いた洗濯物をたたんだり、アイロンがけをしたりするカウンターを設ける場合もあります。

 ランドリースペースがあれば、洗濯にかかわる家事を一か所で完結させることができるため、家事の効率がグンとアップします。効率面のほかにも、目の離せない小さなお子さんがいるご家庭にも安心です。お子さんを抱っこしながら、重たい洗濯物をもって家のなかを移動するのは一苦労ですよね。さらには年を重ねて、2階に洗濯物を干しにいくのが大変になったときにも便利なスペースとなります。

 注意点は、物干しスペースは人の移動の妨げにならない場所に設置するということ。洗濯物がじゃまで身支度がしづらくなってしまっては本末転倒ですね。洗面所に設けるランドリースペースのほか、室内物干しスペースについては、こちらの記事でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。→「室内物干しスペース、どこに作る?場所別メリット・デメリット(https://www.sbs-mhc.co.jp/column/equipment/210502/ 

 まとめ|変わりつつある洗面所。わが家に最適なのはどれ?

 家族構成や生活スタイル、来客の頻度などによっても、理想の洗面所は変わってきます。キッチンやリビングのような華やかさはないけれど、毎日の暮らしの質を大きく左右する洗面所。ご家族にとって最適な間取りを考えてみてくださいね。

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