住宅設備

震災の教訓 通電火災

執筆者
鈴木 元一朗(グランドコンパス)

1995.1.17 阪神・淡路大震災
 あの日から、今年で25年を迎えるのですね。震災を知らない世代が増えてきました。高速道路の倒壊、炎に包まれる街と衝撃的な映像を目の当たりにしてこれが現実なのか、夢であって欲しいと思った記憶が鮮明に残っています。

建築基準法改正
 犠牲者の8割が建物などの下敷きによる圧死の教訓から、建築基準法が改正され、耐震性能を有する新築、リフォームが推奨されて、その後の地震においては圧死が少なくなりました。今や地震に強い住宅は当たり前となってきました。

通電火災
 一方で通電火災の教訓は現在活かされているのでしょうか。通電火災とは、地震による停電の後、電気が復旧した時に起きる火災。電気の供給の回復により、倒れた電気器具や破損した電気配線に通電した時に火災が発生します。

暖房器具
 冬場は特に暖房器具など発火しやすい電化製品が多いですね。インテリアとしても格好良くデザインされていますが、転倒しやすい形状になっていませんか。

分電盤
 つまり、停電の際にはブレーカーを下げておき、通電後に安全を確認してからブレーカーを上げることが大事になります。避難所に行くなどして家を離れるなら尚更ですね。大切なマイホームを失わないためにも、またあなたの家が火元にならないようにしなければいけません。大阪北部地震や北海道胆振東部地震の際にはTV各局でブレーカーを落とすようにアナウンスされていました。が、停電中で情報取得できない被災者の耳には届いたでしょうか。

感震ブレーカー
 揺れの際にボールが落ちて、ブレーカーを下げる装置がマイホームセンターで販売されています。分電盤自身が揺れを検知し、ブレーカーを落とす感震ブレーカーを新築時に採用している会社もあります。


火災警報器

 寝室など寝る場所には火災を知らせる警報器の設置が義務付けられていますが、未設置や設置したままで動作確認できておらず電池切れになってしまっていませんでしょうか?各室の警報器が連動しいち早く火災を知らせる新しいタイプの製品もあります。

展示場に行こう
 通電火災を起こさない、起きた場合にいち早く消火活動や避難行動がとれるか、家づくりの中でどんな工夫ができるか。展示場で相談してみましょう。