＜index＞
家を買う際には、土地や建物の代金以外に加えて、様々な諸費用がかかることをご存じでしょうか。予想外の費用がかかってしまい後で困らないよう、いつ、どんな費用が、どれくらいかかるか知っておきたいところです。今回は、新築住宅の購入から入居までにかかる費用について解説します。事前にお金の流れを把握しておき、余裕を持った資金計画を立てましょう。
新築購入に必要なお金の流れ
土地を購入して家を建てる時には「土地購入時」「建物の建築時」「購入後」のそれぞれのタイミングで支払いが発生します。ここでは、土地を購入してから注文住宅を建てる場合を想定して、大まかなお金の流れを表にまとめました。
＜住宅購入にかかる主な費用と支払いの流れ＞
次項からは、新築購入にかかるお金を3つのタイミングに分けて、費用の項目や金額の目安などを具体的に解説していきます。
土地購入時に必要な費用
土地の購入代金は、基本的に「売買契約時」と「引き渡し時」の2回のタイミングで支払います。
●土地の売買契約時
はじめに必要となるのが「手付金」です。手付金とは、売買契約の時に買主が売主に支払うお金のことを言います。契約成立を約束する証拠金として、購入代金の5～10％程度を支払うのが一般的です。なお、買主の事情で契約を解除した場合、手付金は返金されないので注意しましょう。
また、不動産会社を通して土地を購入する際は、同時に「仲介手数料」も必要です。仲介手数料は、売買契約時に半額を支払い、土地の引き渡し時に、残りの半額を清算します。
●土地の引き渡し時
引き渡しの直前には、購入代金から手付金を引いた残金を売主に支払います。住宅ローンを利用する場合は、このタイミングで融資が実行されることが多いので、ほぼ同時期にローン借入費用が発生することを覚えておきましょう。そのほか、引き渡し時には、仲介手数料の残り半分と、登記費用、税金の清算金などの支払いも必要です。
ここまででご紹介したものも含め、土地の売買契約時から引き渡しまでに支払う諸費用には、以下のような項目があります。
建物の建設時に必要な費用
建物の建築時は、主に「見積もり作成時」「工事請負契約時」「着工時」「上棟時」「引き渡し時」の5つのタイミングで支払いが発生します。次は、建物の建築時にかかるお金について見ていきましょう。
●家の見積もり作成時
土地が決まったら、家のプランを作成する前に、地盤調査を行います。地盤調査自体は7～10万円で済むことが多いですが、追加で地盤補強工事が必要になれば、50万～100万円程度の追加費用が必要です。
調査や補強工事が終わると、施工会社と話し合って具体的な建物のプランを決め、見積もり書を作成してもらいます。見積もりや設計図の作成費用は、無料の場合もあれば、10万円程度かかるケースもあるなど、業者によって対応は様々です。
●建設工事費用
建物プランが決定して、建築確認申請が終わったら、施工会社と工事請負契約をします。工事費用の請求のタイミングは施工会社ごとに異なりますが、下記の4回程度に分けて支払うことが多いようです。
1.工事請負契約時：工事費用の約10％
2.着工時：工事費用の約30％
3.上棟時：工事費用の約30％
4.建物の引き渡し前：工事費用の約30％
ここで注意したいのが、住宅ローンの融資実行時期です。原則として住宅ローンは、建物の引き渡し日に融資が実行される決まりとなっているため、土地を買って家を建てるケースでは、建物完成までの工事代金を手持ちの資金から捻出する必要があります。一括払いで支払う予定の方は別として、住宅ローンで借り入れをして家を購入する場合、建物の完成前に工事費用を準備するのはなかなか難しいでしょう。
そのような時は「つなぎ融資」を利用して、資金を調達するという方法もあります。つなぎ融資とは、建物の引き渡し前にかかる費用を一時的に用立てるローンのことです。通常のローンと違い、契約時や着工時に融資を受けられるので、自己資金を減らさず、建築費用をまかなうことができます。
ただし、つなぎ融資は別途手数料が必要なことが多く、金利も通常の住宅ローンよりやや高めです。金利が0.1％違うと、月々の返済額や支払い総額も変わってきます。つなぎ融資の利用を検討する際は、どれくらいの利息がかかるか事前にシミュレーションしておきましょう。
そのほか、建物の建設時には、税金や建築確認申請費用なども必要です。下記に、建物の建設時にかかる費用の項目や支払いのタイミング、目安となる金額をまとめました。
購入後～入居までに必要な費用
購入後から入居までにかかる主な費用には、新居への引っ越し代、家具・家電の購入費があります。家族の人数や新居までの距離などにもよりますが、引っ越し代には10万～20万円程度、家具や家電には150万～200万円程度かかると考えておきましょう。
また、入居後は、次のような費用が発生します。
●不動産取得税などの税金
不動産取得税は、不動産を取得した方に対して課される税金で、購入後一度だけ支払いが必要です。税額は「固定資産税評価額×3％」で計算し、土地と家屋それぞれに課税されます。なお、不動産取得税は、一定の条件を満たせば1,200万円もしくは1,300万円の控除が受けることが可能です。
毎年支払う税金には、固定資産税と都市計画税があります。固定資産税は、建物の構造などによって金額が変わることから一概には言えませんが、戸建ての場合は年間で6万～10万円程度かかることが多いようです。
●住宅ローン返済
住宅ローンを利用して住宅を購入した方は、毎月のローン返済があります。当初固定金利で契約している方は、一定の期間を過ぎると月々の支払い額が高くなるので、繰り上げ返済や借り換えについても考えておきましょう。
●修繕費
外壁や屋根は10～15年スパンで塗り替えや修繕工事が必要となる場合が多く、1回あたり100万円単位のお金がかかります。ほかにも、配管や水廻り設備、クロスの貼り換え費用なども発生するため、計画的に修繕費を積み立ててお金を準備しておくことが大切です。
新築購入に必要なお金のシミュレーション
新築住宅の購入時に消費税がかかるか気になる方もいらっしゃるでしょう。消費税は、物やサービスに対して課税される税金なので、土地を買って家を建てる場合の「土地代」そのものに消費税はかかりません。ただし「建物代」や「建築工事代」には消費税がかかるので注意が必要です。
また、諸費用の中にも消費税がかかる項目があり、仲介手数料、ローンの融資手数料、登記費用のうちの司法書士への報酬は課税対象となります。
では、実際に新築住宅を購入した際にかかる諸費用を計算してみましょう。
土地1,500万円、建物3,000万円で、総額4,500万円の家を買う場合を例に、諸費用の概算をシミュレーションすると、以下のようになります。
土地を買って家を建てる時の諸費用の目安は、総額の10～12％程度と言われています。ローンを利用するかどうか、地盤補強工事を行うかなど、ケースバイケースで金額は変わりますが、4,500万円の家を買うとなると、450万～540万円程度を諸費用として見積もっておくと良いでしょう。
まとめ
家を建てる時は、購入時だけでなく購入後にもお金がかかり、現金での支払いが必要なものも数多くあります。土地と建物の価格だけを考えて購入を進めると、手持ち資金が減り、突然の出費に対応できないなど、のちのちの生活に影響を及ぼしかねません。諸費用を含めたトータルコストを計算しながら資金計画を立てることが重要です。
住宅会社
展示場