住宅設備

一日の疲れを癒すバスルーム|快適な空間にするための3条件

執筆者
出口 恵

寒さ厳しいこの季節。冷えきった体をじわ~っと温め、一日の疲れを癒してくれるお風呂は、明日への活力を養う大切な場所。

だからこそ、バスルームは家族みんなにとって快適な空間にしたいですね。そこで今回は、家づくりの際に必ず押さえておきたい、快適なバスルームの3条件をお伝えします。

条件1.適切な広さ

[株式会社パナホーム静岡 CASART PREMIUM(三島展示場)]

新築のバスルームでもっとも多い後悔の一つは〈広さ〉です。

・浴槽が小さくてゆったりと足を伸ばせない

・子どもと一緒に入ると洗い場が窮屈

「バスルームをもっと広くすればよかった!」という声がよく聞かれます。間取りを考える際、LDKや収納と比べると、バスルームの優先度はどうしても低くなりがち。その結果、十分なスペースが確保できず、実際に使ってみると想像以上に窮屈で使い勝手が悪く感じられてしまいます。

小さなお子さんをもつご家族にとってお風呂タイムは、親子のスキンシップや会話を楽しむコミュニケーションの時間でもあります。帰宅から就寝までのあわただしい中での貴重な親子の時間に、バスルームの窮屈さを理由にストレスを感じてしまうのは残念ですね。

一方でバスルームは、「広ければ広いほどいい」というわけではない点にも注意しましょう。必要以上に広すぎると、入浴時に寒く感じられたり掃除が大変になったりするデメリットがあります。
それでは、バスルームの〈適切な広さ〉とはどのようなものなのでしょうか?

戸建て住宅のバスルームの広さは、0.75坪/1坪/1.25坪の3種類が一般的です。

【0.75坪(1.5畳)】…コンパクトサイズ。1人ならある程度のスペースは確保できる。

【1坪(2畳)】…1人ならゆとりあるスペースが確保できる。

【1.25坪(2.5畳)】…洗い場にゆとりがあるため、親子で一緒に入る場合や入浴介助にも適している。

この中でも多く選ばれているのは1坪と1.25坪タイプで、そのためユニットバスのバリエーションも豊富です。子育て家庭の場合は、最低でも1坪、お子さんの人数が多い場合は1.25坪がおすすめです。

 

条件2.掃除のしやすさ・清潔の保ちやすさ

[アキュラホーム 超空間の家(静岡展示場)]

快適なバスルームを考えるときには〈日々のお手入れのしやすさ〉も非常に重要な視点です。どうしても湿気がたまりやすく、カビや水垢、ヌメリなどが発生しやすい場所。汚れだらけのバスルームは、見た目だけでなく健康面でも心配ですね。

 

掃除がしやすく清潔を保てるバスルームづくりに重要なのは、以下の4点です。

1]換気・除湿ができる設計にすること

カビの発生防止は、いかに換気・除湿を徹底するかにかかっています。換気・除湿の手段は換気扇と窓が基本ですが、家の中も外も湿度の高い梅雨時など、それだけでは不十分なこともあります。また、入浴は就寝前にすることが多いですが、夜間に窓を開けっぱなしにしておくのは、防犯上の不安もありますね。その場合は、浴室暖房乾燥機の設置がおすすめです。換気+温風で、浴室をしっかり乾燥させることができます。

 

2]カビやヌメリが発生しにくい仕様を選ぶ

最近では、カビやヌメリが発生しにくいよう工夫された、機能性の高いバスルームがたくさん登場しています。次のような仕様を選ぶこともおすすめです。

・水はけがよく乾きやすい床

・凹凸が少なく汚れが落ちやすい床

・水垢がつきにくいコーティングがされた鏡

・髪の毛などのゴミがまとまりやすく捨てやすい排水口 など

 

3]オプションは最低限にする

ラックやカウンターから浴室テレビ、ジェットバスまで、バスルームのオプションは様ざまあります。もちろん、ご家族にとって必要なオプションは付けるべきですが、それらを増やせば増やすほど、汚れがたまる箇所、掃除しなければいけない箇所が増えることは意識した方がよいでしょう。あったら便利かも…程度のものは省き、必要最低限にすることで掃除の手間を減らすことができます。

 

4]汚れが目立たない色・素材を選ぶ

黒や茶色といったダーク系の色は、シックで落ち着いた印象のバスルームになります。一方で、水垢などの薄い色合いの汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。掃除の頻度を少なくしたい場合は、汚れが目立ちにくいホワイト系がおすすめです。

 

条件3.安全性への配慮

[日本ハウスホールディングス浜松営業所 3LCC HOUSE(浜松展示場)]

特に小さなお子さんをもつご家庭の場合、バスルームは水濡れによる転倒事故や、溺水の危険性がある場所であることも忘れてはいけません。

・親御さんと一緒に入浴し、目を離した隙に溺れる

・お子さんだけでバスルームに行き溺れる

・バスルームで転倒してしまい溺れる

以上のようなケースがよくあります。お子さんの命にもかかわることなので、絶対に防ぎたいですね。バスルームでの事故防止には、お子さんからなるべく目を離さない、残し湯をしないといった心がけが基本となりますが、機能面でも手伝えることがあります。

・濡れても滑りにくい床材、浴槽を選ぶ

・浴室扉の高い位置にチャイルドロックを付ける

もう一つ、バスルームで気をつけなければいけないのが高齢者に多いヒートショックです。ヒートショックを防ぐためには、入浴前後の温度差をなるべく少なくすることが重要です。脱衣所にはヒーターを置けるスペースを確保する、バスルームは浴室暖房乾燥機で暖めておくなどの対策が有効です。家族みんなにとって安全な空間にすることも、快適なバスルームづくりには必要不可欠となります。

まとめ|本当に快適なバスルームとは?

 快適なバスルームの条件は、一日の疲れを洗い流す癒しの空間、リフレッシュの空間であると同時に、日々のお手入れがしやすく、家族みんなにとって安全といった入浴時以外の要素もとても重要です。LDKや収納などと比べると、優先度が低くなりがちなバスルームですが、家族の健康にも大きくかかわる場所。「今考えているバスルームは、わが家にとって本当に快適?」あらためて検討してみるきっかけとなれば幸いです。

 SBSマイホームセンターには、ここで紹介した以外にもさまざまなバスルームを提案したモデルハウスがあります。サイト内の「モデルハウス検索  (https://www.sbs-mhc.co.jp/search.php」では、「イメージ検索風呂・トイレ」のキーワードで絞り込み検索をすれば、バスルームの一例を画像でご覧いただくこともできます。ぜひたくさんの実例を見て、理想のバスルームづくりのヒントにしてくださいね。