豊かな自然と暮らしやすい環境が魅力の静岡県では、移住をサポートする多様な支援制度が用意されています。
この記事では、県が実施する補助金制度をはじめ、市町ごとの住宅購入補助、子育て支援、就業支援まで、2025年最新の移住支援制度を詳しくご紹介します。また、エリア別の制度もまとめていますので、移住先を具体的に検討している方もぜひ参考にしてください。
<目次>
静岡県の移住支援制度
静岡県は、恵まれた自然環境や温暖な気候、首都圏からのアクセスの良さなどから、近年移住先として注目を集めています。県では、移住を検討している方々が安心して新たな生活をスタートできるよう、さまざまな支援制度を設けています。
ここでは、静岡県で利用できる主な移住支援制度についてご紹介します。
移住・就業支援金
静岡県の「移住・就業支援金」は、地域の活性化や人材の確保を目的に、東京圏から静岡県への移住を促進する支援制度です。新しい生活を始める際の、引っ越しや住まいの確保などでかかる経済的な負担を軽くし、安心して移住できるようにするための仕組みです。
世帯区分ごとに、以下の支給額が設定されています。
区分 | 支給額 |
---|
単身での移住 | 60万円 |
世帯での移住 | 100万円 |
18歳未満の子どもを連れて移住 | 子ども1人につき100万円 |
支援制度を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。共通する主な要件は、以下の通りです。
【移住前】
- 東京23区内に在住している又は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のうち条件不利地域以外に在住し、東京23区へ通勤していたこと
- 1を満たしている期間が移住直前の10年間で通算5年以上かつ、移住直前に連続して1年以上であること
【移住後】
- 移住後1年以内に申請すること
- 申請日から5年以上居住する意思があること
- 就業要件(一般、専門人材)、起業要件、テレワーク要件、関係人口要件のいずれかを満たしていること
なお、各市町村で独自の条件を設けている場合もあるため、申請をする際は担当窓口に問い合わせることをおすすめします。また、予算に限りがあることから、早めに相談・申請することが望ましいでしょう。
参照:静岡県公式 移住・定住情報サイト ゆとりすと静岡 移住・就業支援金について
省エネ住宅新築等補助制度
静岡県では、脱炭素社会の実現を目的に、省エネ性能の高い住宅の新築や購入を支援する「省エネ住宅新築等補助制度」を実施しています。
補助額は、住宅に使われている木材の種類や使用割合によって異なります。品質や寸法、乾燥状態、強度の基準を満たした木材は「しずおか有料木材等」とされ、これに対する補助加算額は以下の通りです。
しずおか優良木材等補助加算額 |
定額 | 40万円 |
使用割合 | 補助単価 | 上限額 |
50%以上 | 15,000円/m3 | 30万円加算 |
50%未満 | 10,000円/m3 | 20万円加算 |
さらに、しずおか優良木材等の中でも「森林認証材」を使用している場合は、使用量に応じて以下の加算も適用されます。
森林認証材補助加算額 |
補助単価 | 上限額 |
5,000円/m3 | 10万円加算 |
申請を行う要件は、以下の通りです。
- 戸建て住宅の新築及び戸建て新築住宅を購入すること
- 県内中小工務店が施工すること
- ZEH水準の省エネ性能を満たすこと
- 18歳未満の子を有する世帯、:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯ではないこと
(※該当しない世帯は国の実施する子育てグリーン住宅支援事業を利用できる)
申請には期間が定められており、先着順で予算がなくなり次第終了します。そのため、余裕を持って準備することが大切です。
- 第1期:令和7年5月19日 ~ 令和7年10月15日
- 第2期:令和7年11月4日 ~ 令和8年3月13日
参照:令和7年度 省エネ住宅新築等補助制度
こどもみらいテレワーク対応リフォーム補助制度
「こどもみらいテレワーク対応リフォーム補助制度」は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、仕事と子育ての両立を支援することを目的とした制度です。
在宅勤務や子育てに適した住環境を整えるためのリフォーム工事に対して補助が行われ、大きく2つの事業区分が用意されています。それぞれで対象となる工事内容や補助率が異なり、生活スタイルに応じて活用できることが特徴です。
事業区分 | 補助対象 | 補助率 |
---|
こどもみらいテレワーク対応リフォーム事業 | ・机の作り付け(幅70cm以上かつ奥行き40cm以上の机) ・スペースの確保 ・個室の確保 のいずれか | 工事費用の2分の1と10万円を比べて少ない方の額 |
子育てライフ対応リフォーム事業 | ・快適な住環境となる省エネ、防音や内装の木質化工事 ・家事や子育てなどの負担軽減となる工事など | 工事費用の2分の1と15万円を比べて少ない方の額 |
さらに、床・壁等の仕上げ材に「しずおか優良木材等」を10平方メートル以上使用する工事を行う場合には、「しずおか優良木材等補助加算」も適用され、追加で補助が受けられます。
補助の対象となる世帯は、以下の通りです。
補助対象 | 概要 |
---|
子育て世代 | ・令和7年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯 ・令和7年4月2日以降に出生した子を有する世帯 |
若者夫婦世代 | ・令和7年4月1日時点で夫婦いずれかが39歳以下の世帯 |
参照:令和7年度こどもみらいテレワーク対応リフォーム補助制度
地方就職学生支援金制度
「地方就職学生支援金制度」は、東京圏内の大学生・大学院生を対象に、静岡への移住を促すことを目的とした制度です。就職活動や移住にかかる経済的な負担を軽減し、若者が安心して静岡で新しいキャリアを築けるよう支援する仕組みとなっています。
支給される補助金の内容は、以下の通りです。
項目 | 補助金額 |
---|
採用選考に参加するために要した1回分の往復交通費 | 上限5,940円 |
静岡県への移転に要した1回分の経費 | 上限66,000円 |
申請するためには、申請日から5年以上継続して移住先に居住する意思があることや、就職先での採用形態が「静岡県内を勤務地とし、転勤が伴わないこと」などの要件を満たす必要があります。
なお、この制度は移住先の地域によって支援の開始時期が異なる場合や、実施されていないこともあるため、事前に移住予定先の自治体で確認しましょう。
参照:地方就職学生支援事業
静岡県内のおすすめ移住支援制度
静岡県では、市や町ごとの特色を活かした独自の移住支援制度も多数あります。具体的には、子育て世帯への補助や、Uターン・Iターンを対象とした住宅支援、地域に根ざした就業支援などです。
各支援制度に申請するためには、「移住に関するもの」「就業に関するもの」「その他」の要件を満たす必要があり、制度によって支給額や対象は異なります。
ここでは、県内でも移住希望者に人気のある静岡市と浜松市の移住支援制度をご紹介します。
静岡市
豊かな自然と都市機能が調和する静岡市は、移住先として人気の高いエリアです。
静岡市では、市内への移住や定住を促進するために、住宅の確保や就業を支援する制度を用意しています。条件を満たすことでまとまった補助金を受けられるため、新しい生活を始める際の経済的な負担を軽減できるのが大きな魅力です。
まずは、静岡市が提供する具体的な移住支援制度について見ていきましょう。
静岡市移住者住宅確保応援補助金
「静岡移住者住宅確保応援補助金」は、静岡市内への移住や定住促進や、地域社会を担う人材確保を目的とした補助制度です。
移住前の居住地や家族構成によって、以下のように補助金額が異なり、東京圏以外からの移住者も対象です。
移住前 | 補助金額(単身) | 補助金額(複数) |
---|
東京圏 | 60万円 | 1人あたり100万円(上限400万円) |
東京圏以外 | 30万円 | 1人あたり50万円(上限200万円) |
参照:静岡市移住者住宅確保応援補助金
静岡市移住者就職応援補助金
「静岡市移住者就職応援補助金」は、市内への優秀な人材誘致と定着を目的とした支援制度です。
静岡市に移住し、市内で就業する方を対象に、新しい生活を応援するため、1人につき一律50万円の補助金が交付されます。これにより、移住者の経済的負担の軽減や、地域経済の活性化につなげています。
参照:静岡市移住者就職応援補助金
浜松市
静岡県の中でも、ものづくりのまちとして発展してきた浜松市は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、暮らしやすい環境が魅力です。近年では、移住・定住を促進するため、県外からの移住者や子育て世代を対象とした独自の支援制度が整備されています。
続いて、浜松市で利用できる具体的な移住支援制度についてご紹介します。
浜松市はじめようハマライフ助成事業費補助金
「浜松市はじめようハマライフ助成事業費補助金」は、東京圏から浜松市に移住した人を対象にしている支援制度です。
単身の場合、60万円、2人以上の場合は100万円が支給されます。さらに、18歳未満の子どもがいる場合は、1人につき追加で100万円が支給されます。
参照:浜松市はじめようハマライフ助成事業費補助金(移住・就業支援金)
浜松市ハマライフ住宅取得費等助成事業費補助金
「浜松市ハマライフ住宅取得費等助成事業費補助金」は、市外から浜松市への移住を検討している方を対象に、住宅取得や引っ越しに係る費用を補助する制度です。
新築や中古住宅の購入費用、増築、改修費用、さらには賃貸費用までが補助対象となります。
補助金額は上限100万円で、補助対象経費の合計額の2分の1が支給される仕組みです。移住時の経済的負担を抑え、安心して新生活をスタートできる制度といえるでしょう。
参照:浜松市ハマライフ住宅取得費等助成事業費補助金
富士市
静岡県富士市は、富士山を望み、雄大な景色が広がる豊かな自然と住みやすさが両立した魅力的な街です。同市では、移住・定住を促進するために、富士市では子育て世代や若年層を対象とした独自の支援制度を積極的に展開しています。
ここでは、富士市で利用できる具体的な移住支援制度についてご紹介します。
子育て・若者世帯F-UJIターン奨励金
「子育て・若者世帯F-UJIターン奨励金」は、県外から富士市へ子育て世代、若者世代が再転入する際に奨励金を支給する制度です。移住前の居住地や世帯条件に応じて補助額が異なり、特に子どもがいる世帯では加算が受けられるため、子育て世代にとって利用価値の高い制度となっています。
対象者の満たす条件によって、以下のように補助金額が異なります。
移住前 | 補助金額(子育て世代) | 補助金額(若者世代) |
---|
東京圏外 | 30万円+13歳未満の子または胎児1人につき10万円加算(上限50万円) | 30万円 |
東京圏内 | 10万円+13歳未満の子または胎児1人につき10万円加算(上限30万円) | 10万円 |
参照:富士市子育て・若者世帯F-UJIターン奨励金
テレワーク移住アシスト(富士市先導的テレワーク移住者支援補助金)
「テレワーク移住アシスト(富士市先導的テレワーク移住者支援補助金)」は、テレワークを前提に富士市へ移住する方を対象とした支援制度です。
住宅の取得や増改築、改修費用、賃貸費等の移住にかかった費用が対象となり、最大50万円の補助が受けられます。新しい働き方に合わせて地方移住を検討する人にとって心強い制度です。
参照:テレワーク移住アシスト(富士市先導的テレワーク移住者支援補助金)
富士宮市
世界遺産富士山の麓に位置する富士宮市は、豊かな自然と歴史・文化が息づく魅力的な地域です。市では移住・定住を促進するため、県外からの移住者や子育て世代を対象とした独自の支援制度を充実させています。
ここでは、富士宮市で利用できる具体的な移住支援制度についてご紹介します。
移住・定住奨励金
富士宮市の「移住・定住奨励金」は、静岡県外から富士宮市に移住し、住宅を新築・購入する、または空き家住宅を賃貸する若者世帯を対象とした制度です。
夫婦の年齢や居住地によって補助金額が大きく変わる点が特徴で、若い世代ほど手厚い支援を受けられる仕組みとなっています。補助金額は以下の通りです。
移住前 | 補助金額(新築か購入) | 補助金額(賃貸) |
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東京圏外 | 夫婦どちらかが29歳以下80万円 | 夫婦どちらかが29歳以下60万円 |
夫婦どちらかが34歳以下50万円 | 夫婦どちらかが34歳以下30万円 |
夫婦どちらかが40歳以下40万円 | 夫婦どちらかが40歳以下20万円 |
東京圏内 | 夫婦どちらかが29歳以下160万円 | 夫婦どちらかが29歳以下110万円 |
夫婦どちらかが34歳以下120万円 | 夫婦どちらかが34歳以下70万円 |
夫婦どちらかが40歳以下100万円 | 夫婦どちらかが40歳以下50万円 |
参照:移住・定住奨励金
結婚新生活支援補助金
「結婚新生活支援補助金」は、39歳以下の新婚夫婦を対象とし、世帯収入が500万円未満である場合に、住宅関連費用や引っ越し費用を補助する制度です。
夫婦の年齢によって支給額が異なり、夫婦のどちらも34歳以下の場合は上限60万円、それ以外の場合は上限30万円が支給されます。結婚を機に移住や住まいを整えたい夫婦にとって、経済的な負担を大きく軽減できる内容となっています。
参照:富士宮市結婚新生活支援補助金
まとめ
静岡県では、住宅取得や子育て、就職に関する補助金など、さまざまな形で移住をサポートする補助金や制度が用意されています。
静岡市、浜松市、富士市、富士宮市など、自治体ごとに独自の制度も用意されており、移住先を選ぶ際の重要な判断材料となるでしょう。これらの制度を上手に活用することで、理想の静岡での生活をスムーズにスタートさせることができます。
なお、移住支援を受けるための条件は制度ごとに異なるため、申請前には必ず公式ホームページなどで詳細を確認しましょう。
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