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住宅制度

2018年05月22日 (火)

住宅リフォーム瑕疵(かし)担保責任保険~リフォームにも保険があります~

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齋藤 明
静岡県建築住宅まちづくりセンター 営業部長

リフォームに保険は必要?

[住まいのリフォームにも保険制度]

 住まいの完成後に生じた雨漏りなどの不具合に対する修理を、スムースに行うための保険が、新築だけでなくリフォームについてもあります。消費者保護を目的にできた「住宅リフォーム瑕疵(かし)担保責任保険」という保険です。

 住まいの新築については、「住宅の品質確保の促進に関する法律」(略称・住宅品確法)により、建設業者や住宅の販売業者(宅地建物取引業者)は、「新築住宅の構造耐力上主要な部分(屋根、柱、壁、床、基礎など)と、雨漏りの侵入を防ぐ部分の瑕疵(欠陥)について、10年間の瑕疵担保責任を負う」ことが規定されています。この法律の実効性をより高め、修理がスムースに行われるために、一部を除く建設業者や宅地建物取引業者に、修理のお金を確保するための保険に入ること、または一定の金額を法務局に預ける供託を義務付ける「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(略称・住宅瑕疵担保履行法)が、平成21年10月にスタートしています。

 大手住宅メーカーなどでは、供託を選択するケースが多いですが、それ以外の住宅会社や工務店などの大半は保険に加入することを選択しています。 しかし、リフォーム工事については、法律で業者に保険への加入を義務付けている訳ではなく、加入が任意の保険となっています。

[リフォームのトラブル多発]

  住宅の新築だけでなくリフォームについても瑕疵保険がある背景には、やはり「消費者保護」の目的があります。 「人口の減少」「核家族化」「経済環境の変化(所得の伸び悩み)」「昭和の末から平成にかけて大量に造られた住宅が手入れの時期を迎えた」「地震が心配」「若い人の住まいに対する考え方の変化(新築から中古住宅)」「郊外から中心市街地のマンションへの住み替え」「空き家の増加」などによりリフォーム需要の増加が見込まれ、行政も「建築ストックの活用」を目指す住宅施策への変化が見られています。

 リフォーム需要の増加は、一方でいろいろな問題が発生していることも確かです。まず、住宅の新築や増築・改築する場合には、建築基準法という法律に沿った内容で建設されるか、公的機関(確認検査機関)で工事着手前に設計図面等で審査され、さらに工事中や工事完成後に図面通りに工事されているかどうか、の現場検査が行われます。 しかし、リフォーム工事の場合には、建物の床面積の増減がなければ法チェックがありません。 この法チェックがないことに加え、リフォーム需要の増加が見込まれることから、リフォーム技術や経験のない(少ない)業者が市場に参入していることなどにより、建築主との間でトラブルが多く発生しています。

[保険は適正工事確保と業者選定の目安]

  リフォーム工事のトラブルは、契約の問題、希望した内容と違う工事、追加工事問題、工事金額の問題などとともに、工事の欠陥などに対して「直す」「直さない」の修理を巡るトラブルもあります。このリフォームの瑕疵(欠陥)に対する保険は、新築、増築・改築の保険と同様、リフォーム工事部分の瑕疵に起因して不具合が見つかった場合、保険に加入した工事業者に保険金が支払われ、修理がスムースに行われるようにするためのものです。また、万が一、工事業者が倒産などにより修理を行うことができなかった場合、修理にかかる費用を建築主に直接、保険金として支払われます。

 保険金は、修理費用だけでなく、調査費用や工事期間中の仮住居・移転費用も対象となり、保険金支払限度額も工事業者が申請時に工事請負金額以上で100万円から1,000万円までの間で設定した金額となり、保険の期間については、屋根や柱、壁、床などの構造耐力上主要な部分と雨漏りの侵入を防ぐ部分については5年間、その他の部分については1年間となっています。また、保険に加入することによって、保険会社から派遣された第三者の検査員(建築士)が、設計施工基準に基づき、リフォーム工事の施工状況について検査が行われるため、適正な工事が確保でき、さらに業者が保険に加入するためには、事前にリフォーム登録事業者になることが必要となり、その登録のためには保険会社の登録基準によって審査されるため、リフォーム登録事業者であること自体が「安心できる業者」の証しと言え、業者選定の一つの目安となります。  

 リフォーム工事完成後の瑕疵の修理を巡るトラブルを防ぐためにも、業者選定の際には、登録事業者であるかどうか、また保険に加入しているかどうか、を確認することが必要です。仮に未登録、未加入であった場合には、保険加入を依頼するようにしましょう。ただし、リフォーム保険の加入は業者の任意であり、保険加入には保険料がかかりますので、最終的に建築主が負担する場合もありますので、工事費が100万円を超えるような規模のリフォーム工事に限定することが良いと思われます。

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