建築・間取り

屋根の形・材質を徹底比較!最新の屋根選びをチェック

執筆者
出口 恵

あまり意識して見ることはなくても、実は家のイメージを大きく左右している「屋根」。そして雨風や自然災害、気温の変化などから、ご家族や住まいを守る大切な役割を担っています。今回は屋根の主な形状と材質を徹底比較!それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。これを知っておけば、家づくりの際の屋根選びがグッとスムーズになりますよ。

屋根の形状1.片流れ屋根(かたながれやね)

 片流れ屋根は、大きな1枚の屋根が一方向に傾くように設けられた屋根のこと。シンプルな構造のため、新築やメンテナンス時にも費用を抑えることができます。見た目がスタイリッシュで、小さな敷地の建物にもフィットすることから、近年多く採用されるようになりました。また、太陽光パネルを乗せやすい、天井が高くなる分、高い位置に窓を設置したりロフトを作ったりがしやすいというメリットもあります。

 一方で、傾斜面とは反対側の軒先のない壁面は、雨風や紫外線の影響を受けやすくなることがあります。また、雨水が分散せずに一方向に流れるため、屋根や雨どいが劣化しやすい点にも注意が必要です。

 片流れ屋根のメリット・デメリット

  ▼メリット

・費用が抑えられる
・スタイリッシュなデザイン
・太陽光パネルを乗せやすい
・高い天井を活かして窓やロフトが設置できる

  ▼デメリット

・軒先のない壁面は風雨や紫外線の影響を受けやすい
・屋根や雨どいの劣化が早い

 [スズキハウス vite smile 浜松展示場] 

[一条工務店 i-smart 掛川展示場]

屋根の形状2.切妻屋根(きりづまやね)

 切妻屋根は、2枚の屋根が頂上部で合わさった三角屋根のこと。比較的丈夫で雨漏りがしにくいのが特徴で、多くの戸建て住宅で採用されています。また、一般的な屋根材の中ではもっとも安価に抑えることができるコスパの良さも人気の理由です。

 デメリットはほとんどありませんが、よくある形状で個性が出しにくいため、デザイン性にこだわる方は物足りなさを感じるかもしれません。しかし最近では、屋根の勾配や窓の配置を工夫して、シンプルな切妻屋根をおしゃれにデザインした外観の家も増えています。

切妻屋根のメリット・デメリット

  ▼メリット

・費用が抑えられる
・丈夫で雨漏りがしにくい

  ▼デメリット

・個性が出しにくい

 [クレバリーホーム伊豆店 CX-9 三島展示場] 

[ミサワホーム静岡 GENIUS 蔵のある家 袋井展示場] 

屋根の形状3.寄棟屋根(よせむねやね)

 寄棟屋根は、切妻屋根にもう2枚の屋根をプラスしたもの。切妻屋根が2方向に流れているのに対して、寄棟屋根では4方向になります。その分、費用は割高になりますが、日差しや風雨の影響を分散することができ、耐久面ではもっとも優れた形状です。また、瓦屋根との相性がよく、落ち着きのある印象も人気です。

 一方、構造が複雑になるため、雨漏りの可能性は高くなり、こまめなメンテナンスが必要になります。また、太陽光パネルの設置数に制限が出ることもあります。

 寄棟屋根のメリット・デメリット

  ▼メリット

・紫外線や風雨の影響を受けにくい
・耐久性に優れている
・落ち着いた雰囲気

  ▼デメリット

・費用は高め
・雨漏りに注意
・太陽光パネルの設置に制限がある

 [トヨタホーム東海 シンセ・フィーラス 藤枝展示場] 

[積水ハウス沼津支店 IS ROY+E (イズ・ロイエ) 富士展示場] 

屋根の形状4.陸屋根(ろくやね)

陸屋根は、マンションやアパートでよく見られる平らな屋根のこと。直線的でシャープな印象になり、スタイリッシュな雰囲気を好む方に人気です。また、屋上スペースを活用することができるのもメリットで、庭スペースを十分に確保できない場合でも、ガーデニングなどの趣味を楽しむことができます。

一方で、傾斜がなく雨水が溜まってしまうため、定期的な防水工事が必要です。基本的には鉄筋コンクリートの住宅向けの屋根で、木造には向きません。また、日差しの影響が下の階に伝わりやすい点にも注意が必要です。

 陸屋根のメリット・デメリット

 ▼メリット

・スタイリッシュな見た目
・屋上スペースを有効活用できる

 ▼デメリット

・雨漏りしやすい
・日差しの影響が下の階に伝わる

 [アイジーホーム Moiの家 富士展示場] 

[百年住宅株式会社 New FORTE 御殿場展示場] 

屋根材1.化粧スレート

 化粧スレートは、セメントと繊維材料を使って、5ミリ程度の厚みに仕上げた平板な屋根材のこと。他の材質と比べると安価なことが多く、薄くて軽く施工がしやすいため、新築時の費用を抑えることができます。また、色やデザインの種類も豊富で、イメージに合ったものを選ぶことができる点も大きなメリットです。

 一方で、カビに弱く、割れる頻度も高いため、10年に1度ほどの定期的な塗装・メンテナンスが必要です。ただし、最近では高機能な化粧スレートも増えていて、その場合は価格が上がりますが、耐久性も向上します。

 化粧スレートのメリット・デメリット

 ▼メリット

・費用が抑えられる
・色やデザインの種類が豊富

  ▼デメリット

・こまめなメンテナンスが必要

 

 屋根材2.ガルバリウム鋼鈑

 ガルバリウム鋼鈑は、アルミニウムと亜鉛などからなる合金の総称。耐用年数は2030年と長めなこと、軽量で耐震性に優れていることなどから、近年、とくに人気が高まっている屋根材です。費用もそれほど高くない点、見た目がスタイリッシュな点も選ばれる理由となっています。

 一方、軽量で薄いため、重さのある飛来物などが当たると凹み、傷がつきやすい点、また金属製のため、海沿いでは錆びやすい点には注意が必要です。 

ガルバリウム鋼鈑のメリット・デメリット

 ▼メリット

・耐用年数が長い
・耐震性に優れている
・スタイリッシュな見た目

 ▼デメリット

・凹み、傷がつきやすい
・海沿いでは錆びやすい  

屋根材3.粘土瓦

 粘土瓦は、日本で昔から高級屋根材として使われてきた材質。一番の特徴はその耐久性で、塗装をしなくても50100年ほど長持ちし、美観も長期間維持できます。伝統的な日本家屋だけでなく、近年人気の和モダンな家や、洋風デザインの家に合う瓦もあります。また、以前は地震や台風の影響を受けやすいイメージがありましたが、最近では落ちたり飛んだりしにくい防災瓦が標準になっています。

 長期的なコストパフォーマンスに優れている一方で、初期費用は材料費・施工費ともに高価になります。

 粘土瓦のメリット・デメリット

 ▼メリット

・圧倒的な耐久性
・塗装なしでも美観を保てる

  ▼デメリット

・初期費用が高い 

 

たくさんの実例の中から好みの屋根を見つけよう

 SBSマイホームセンターのサイト内の「モデルハウス検索(https://www.sbs-mhc.co.jp/search.php)」では、切妻・寄棟・陸屋根などの「屋根形状」によって絞り込み検索が可能です。

さらに「イメージから探す」という機能をつかって「写真カテゴリ:外観」を選択すれば、約200棟ものモデルハウスの外観を一覧で見ることもできます。今回は、基本的な4つの屋根形状をご紹介しましたが、実際にはいくつかの形状を組み合わせた表情豊かな屋根がたくさん存在します。ぜひ種類豊富な実例の中から、あなたの理想の屋根を探してみてくださいね。

[ヘーベルハウス CUBIC &Nico 富士展示場] 

[ヤギモク ヴィサージュ フォーマルモダン 藤枝展示場] 

[セキスイハイム東海 パルフェJX 静岡東展示場]