建築・間取り

風水を素敵なインテリアの参考に

 インテリアの参考にと、風水インテリアのような本を読んで取り入れる方は多いのではないでしょうか。西の方角には黄色のものを置くと金運が高まる、東の方角は音の鳴るものが幸運をもたらすのでCDやTVは東側に置くなどというアレです。しかしそれに縛られてしまいすぎるとチグハグなインテリアになってしまいます。

 このような思想は、今も昔も、人が何かを決めるときに、背中を押してくれるものとして必要なのですね。心理学的には確証バイアスとして、選択したモノやコトに理由付けが必要、その根拠が神様に近いようなものなど精神性の高いものだと安心感が得られやすいのですね。

 風水は、古代中国の思想で、都市、住居の位置など吉凶を決めるために用いられ、地理的な要素を大事にしたもので、風をどう取り入れたら、水をどう取り入れたら、淀まず健康的で繁栄できるかを指し示したもので、現代の都市工学や建築の初期の教本のようなものですね。

 奈良県キトラ古墳に四つの方角の神様が描かれています。東は朝の方角で、青龍が司る、朝青龍もここから名づけられているのではないでしょうか。音の好きな神様で、何もない冬から一転して竜の吐息が春の嵐として、音を連れてやってくる春の様を表している。神様の音連れ(訪れ)もここから。南は灼熱の太陽を模した不死鳥、朱雀が司る。神社の鳥居(鳥が居る)がそれを表しています。西は秋の方角、白虎ホワイトタイガーが鎮座。木々に色々な花が咲いた後に実がなる五穀豊穣を願い、キャンバスは白にしたのではないでしょうか。冬は暗黒の季節、玄武が司る。雪に閉ざされ、日照時間も農作物も少ない季節をじっと耐えたのでしょう。これら聖獣がそろっている土地を四神相応の地として評価基準にしたのです。

 そこから時を経て、風水に西洋占星術や家相学も組み合わさり、本来の風水学とは異質なビジネス要素を持ったものになっていきます。

 日本のような島国では、四方八方から情報や文化、モノがやってくる、それらを組み合わせ編集していく技術が長けている民族性の中では、いとも簡単に家相、占い、風水が融合したのです。編集の仕方を間違えばおかしなものになりますが、編集がうまくいけば、たらこパスタのようにイタリアと日本の融合傑作が生まれます。

 風水を上手に取り入れて楽しいインテリアにしてみましょう。