建築・間取り

ペットの快適空間 〜ペットと熱中症〜

執筆者
鈴木 元一朗(グランドコンパス)

ペットと家づくり
 愛犬、愛猫に快適な空間とは?飼い主が快適でもペットにとっては違うのではないだろうか。家づくりは家族であるわんちゃん、にゃんこにとっても一大事である。

ペットの快適温度
 犬や猫は被毛で覆われています。汗を出して体温調整する汗腺が肉球にしかないため舌を出してハアハアと呼吸をするパンディングをする。
 ヒトに最適な湿度とペットに最適な湿度は同じと言われるが快適な温度は多種多様。犬は寒さに強く暑さに弱いと言われ快適温度は人間より低く25度前後と言われています。

犬種などの個体差
 体温調整がうまく出来ない幼犬、老犬、病気加養中、肥満は温度に気を配らなくてはいけません。短頭種と呼ばれる鼻口部の短い犬種は鼻孔が小さく気道が短いため呼吸による体温調節が苦手(フレンチブルドッグ、パグ、シーズー)。寒い地方の犬(シベリアンハスキーなど)や厚い被毛の犬も暑さが苦手。

猫の快適空間
 一方で猫は暑さよりジメジメが苦手。よく体をなめるグルーミングは唾液が蒸発する気化熱で体温を下げていますが、湿度が高いと蒸発しにくいので体温が下げられない。長毛種と短毛種では快適温度が違う。

エアコンによる温度管理
 熱中症予防のためにエアコンをつけっぱなしの家庭も多いが電気代が高くなるのが心配です。そのために太陽光発電を導入される方も少なくない。乳幼児やご老人がいるご家庭ではエアコンの風で毛が舞うことがあるので注意が必要。ペットにもエアコンの風が直接当たらないように。

犬猫にとっての快適空間
 床下暖房や蓄熱暖房機による風を起こさない暖房方法や床素材をタイル、大理石でひんやり冷たい空間を設えるのも良い。日向ぼっこは大切でビタミンDの生成や皮膚病の予防、体内時計を整え、ホルモンバランスを整えたりしているので直射日光が入る空間も必要だが、日除けをする空間も必要。犬猫が移動しやすい空間も 大事。ペット動線とでも名付けようか。

犬猫とマイホームセンター
 マイホームセンター内で犬猫同伴の見学はなかなか難しいでしょうから、物理的なペットの視線で見てみるのも良いでしょう。温度、湿度におい、素材、動線とチェックすることは多い。
 大切な家族と永く過ごせるマイホームにしたいからこそ労を惜しまず。自分以外の視点でも見学してみましょう。