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静岡県西部・浜松市の家づくりの費用相場・特徴を紹介

執筆者
木内菜穂子 (1 級ファイナンシャル・プランニング技能士)

浜松市をはじめとした静岡県西部での家づくりの費用相場は、住宅建築費・土地を含めて約3,3004,000円万円ほどです(2024年時点)。エリアごとにも特徴があるので、この記事を参考にしながら家づくりを検討してみてください。

この記事では、浜松市をはじめとした静岡県西部に焦点を当て、市町ごとの費用相場や、エリアの特徴などについてご紹介していきます。家づくりを進めるための参考にしていただけますと幸いです。

静岡県西部の家づくりの費用相場・特徴を紹介

静岡県西部は、浜松市をはじめとして磐田市、袋井市、掛川市、湖西市、菊川市、御前崎市、森町といった市町で構成されたエリアです。
それぞれの市町で一戸建ての家づくりをする際の費用相場や、エリアの特徴などについて解説していきます。
費用相場の算出は、以下の通りです。

【相場の算出方法】
40坪(約132㎡)の土地に30坪(約99㎡)の住宅を建てる場合とする
・計算式は「各市町の平均坪単価×40+住宅建築費3,000万円(※)とする

住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」よると、2022年度の注文住宅の費用平均は3,717万円、平均住宅面積は122.8㎡である。これを99㎡に換算すると、「3,717万円÷122.8×99㎡=29,966,042円」となるため、約3,000万円とする。

 

浜松市:利便性の高さと豊富な自然が魅力

土地代データによると、浜松市の平均坪単価は291,458/坪なので、住宅を建築する際にかかる費用は、土地代込みで約4,166万円が相場となります。

浜松市は県内で最も人口の多い都市です。政令指定都市と国際会議観光都市にも指定されています。
電車や高速道路といった交通の利便性に恵まれており、東京や名古屋、大阪をはじめとした大都市にアクセスしやすいという特徴があります。
浜名湖や遠州灘ではマリンスポーツが盛んで、家族で水に親しんだり浜名湖沿いをサイクリングしたりとアクティビティも豊富です。

子育て支援にも力を入れており、0歳から高校3年生まで手厚い助成を受けられます。子育て支援サイトで必要な情報を提供したり、「子育て支援ひろば」で就園前の子どもと親が気軽に遊べたりする環境が整えられています。

外部リンク:浜松市移住促進ホームページ はじめよう、ハマライフ > 子育て、教育の魅力

磐田市:自然豊かで子育て支援が多い

磐田市の平均坪単価は166,776/坪です。そこから住宅を建築する際にかかる費用は、土地代込みで3,667万円が目安となります。

磐田市には、東名高速道路や新東名高速道路が通っているほか、JR東海道線や天竜浜名湖鉄道などを使って新幹線の停車駅である浜松駅や掛川駅にアクセスすることも可能です。
磐田市といえば、Jリーグの「ジュビロ磐田」やラグビートップリーグの「静岡ブルーレヴズ」のホームタウンとして有名で、「スポーツの町」として知られています。年間を通じて天候が安定しているため、観戦だけでなくサッカーやトレッキング、サーフィン、釣りなどさまざまなスポーツが楽しめます。

また、磐田市では子育て支援にも力を入れており、乳幼児から中学生までの入院・通院にかかる医療費は自己負担なく無料です。子育て世代を対象に、アプリを活用して予防接種などの子育てに関する情報を発信しています。
親の就労をサポートするために「こども園」を新設するなどして、仕事と子育ての両立をしやすい環境を整備しているのも特徴のひとつです。

 

袋井市:平坦な地形で静かな町

袋井市の平均坪単価は18123/坪です。住宅を建築する際にかかる費用は土地代込みで3,720万円が相場となります。

袋井市は旧東海道の宿場があり、江戸から京都までのちょうど中間地点であったことから東海道の「どまんなか」といわれています。主要道路や鉄道が充実しており、静岡空港まで車で30分とアクセス良好なので、出張の多い方や旅行する機会の多い方などでも住みやすい地域です。
日照時間が長いエリアで、マスクメロンやお茶などの特産品があり、平坦な土地が広いため住宅も多く見られます。
磐田市や掛川市へ通学・通勤する方も多く住んでおり、子育て世代にも人気のエリアです。妊娠から出産、そして子どもが18歳になるまで一貫してサポートを受けられます。市内には85ヵ所の公園があり、「1人あたりの都市公園等面積」は県内でもトップクラスです。

 

掛川市:利便性ときれいな街並みが魅力

掛川市の平均坪単価は167,501/坪なので、住宅を建てるために必要な費用は土地代込みで3,670万円が目安となります。

掛川市は、江戸時代に東海道の主要な宿場町であったり、掛川城の城下町として栄えていたりなど、情緒あふれる街並みを持つエリアです。新幹線で東京まで約1時間40分、新大阪までは約2時間10分と主要都市へのアクセスも良好です。
温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、子どもと遊べる公園や施設も充実しています。また、「希望が見えるまち・誰もが住みたくなるまち」という将来像のもと、健康や子育て分野に重点をおいた施策が取られています。子育て支援としては、子育て総合案内サイト「かけっこ」で子育てに関するイベントや予防接種のスケジュール、子育てに役立つ施設検索などが可能です。

外部リンク:子育て総合案内サイト「かけっこ」

 

湖西市:大都市へのアクセスが良好

湖西市の平均坪単価は182,243/坪なので、住宅を建てる際に必要な費用は土地代込みで3,730万円が目安です。

湖西市は静岡県の最西端に位置し、西側は愛知県との県境となっており、湖西連邦が連なっています。また、東側の大部分は浜名湖に、南側は太平洋に面しており、市全体が自然豊かなエリアとなっています。大都市へのアクセスが良好なうえ、公共サービスや商業施設が集約されているコンパクトシティなので、暮らしやすく効率的に移動しやすいまちです。
子育て支援にも力を入れており、妊娠や出産前で体調不良な方がホームヘルパーを使用した際の費用や、タクシー代を使用した際の費用に対して助成金が受けられます。

 

菊川市:商業のまちとして発展中のエリア

菊川市の平均坪単価は15137/坪なので、住宅を建てる際に必要な費用は土地代込みで3,600万円が目安となります。

菊川市は菊川の中流域に位置し、遠州(静岡県西部)と信州を結ぶ「塩の道」などもあり、南北交通の要所として栄えてきました。縄文時代や弥生時代の遺跡や重要文化財などの史跡も数多く、歴史的にも興味深いエリアです。
温暖な気候に恵まれ過ごしやすく、市の東部には広大な牧之原台地が広がり、お茶の産地としても有名です。
菊川市役所には「こども未来部 子育て応援課」が設置されており、児童手当やこども医療、健康づくりといったさまざまな取り組みを行っています。若者世帯や子育て世帯向けの、住まいに関する補助金制度もあります。

 

御前崎市: 海や山に囲まれ自然豊かな地域

御前崎市の平均坪単価は82,809/坪なので、住宅を建てる際に必要な費用は土地代込みで3,331万円が目安となります。

御前崎市は静岡県最南端の岬を有しており、御前崎灯台は観光客にも人気のスポットです。海や山に囲まれた自然豊かなエリアで、マリンスポーツや海水浴、ハイキングやキャンプなどの山遊びも楽しめます。
御前崎市は温暖な気候で日照時間も長く過ごしやすく、新鮮な海産物や農産物、お茶などの食材も豊富です。
御前崎市役所には「こども未来課」が設置されており、子育てに関するさまざまなサービスを提供しています。また、御前崎市に住宅を建てる新婚世帯向けに、住宅購入資金やリフォーム資金を補助する制度も設けられています。

 

森町:特産物が豊富で自然を楽しめる

周智郡森町の平均坪単価は96,418/坪なので、住宅を建てる際に必要な費用は土地代込みで3,386万円が目安となります。

森町は「遠州の小京都」ともいわれているほど情緒豊かなエリアで、宿場町として栄えていたこともあり、町家や土蔵が並び古くからの神社仏閣も散在しています。
自然豊かなエリアですが、高速道路のIC2ヵ所あり、東京や大阪・名古屋方面へのアクセスは問題ありません。天竜浜名湖鉄道も運行しているので一定の交通機関網は保たれているといえるでしょう。
森町では若い世代が結婚や子育てに希望を持てるよう、子育て支援や教育内容の充実を図っており、子どもの健やかな成長をサポートしています。
自然の多い土地で子育てをしたい方や、地元の方と一緒に祭事やイベントに参加して交流を深めたい方などにおすすめです。

 

静岡県全体の家づくり平均相場・特徴

静岡県で一戸建てを建築する際にかかる費用の総額は、エリアや建物自体のグレードなどにより異なりますが、土地代なしで1,790万円〜1億円が目安となります。

なお、静岡県全体や中部エリアの費用相場・特徴については、以下の記事でも紹介していますので、参考にしていただけますと幸いです。

 

特徴

富士山麓に広がる静岡県は、本州のほぼ中央に位置しており、山や海、湖など自然が豊富なエリアです。静岡県全体を見ると、温暖な気候に恵まれているといえますが、細かくは海岸に近い地域の海洋性気候と、標高の高い山間部などの内陸性気候とに分かれます。冬は晴れの日が多く平地では雪もほとんど降らないため、過ごしやすいエリアといえます。
県内の人口は3619,571人(2023年4月公益財団法人国土地理協会調査結果より)で、世帯数は1635,274世帯、特に人口が多い市は、静岡市や浜松市、富士市です。静岡から東京・名古屋までは新幹線で1時間程で、新大阪までは約2時間10分でアクセスできます。東名高速道路・新東名高速道路のICも多数あるため、車での移動も良好です。

西部エリアで土地が高いのは浜松市

静岡県の西部エリアで地価が最も高いのは浜松市で、地価平均は88,166/㎡、坪単価は291,458/坪です。ただし、同じ浜松市であっても区によって地価平均額が異なります。

参考:土地代データ「静岡県 浜松市」

このように、浜松市内でも価格に最大3倍弱の差があるため、エリアを選ぶ際には注意しましょう。

西部エリアで地価・土地価格が安いのは御前崎市

静岡県西部エリアで地価や坪単価が安いのは御前崎市で、地価平均は25,050/㎡、坪単価は82,809/坪です。ただし、御前崎市内でもエリアによって以下のように地価が異なります。

参考:土地代データ「静岡県 御前崎市」

 

静岡西部での家づくりするならまずは展示場へ

静岡県西部の市町では、地価の高いエリアもあれば比較的手ごろなエリアもあります。また、それぞれの市町ごとに特徴があるため、希望する住宅のイメージや住環境、予算などを考慮してエリアを決めると良いでしょう。

今回、家づくりに必要な費用の目安をご紹介しました。家づくりを検討する際には、まずは展示場に足を運んで、具体的な住宅のイメージをつかんでおくことが大切です。気になることや心配なことも相談してみましょう。