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静岡県中部の家づくりで必要な金額は?費用相場・エリアの特徴を解説

執筆者
木内菜穂子 (1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

静岡市を中心とした静岡県中部で、注文住宅を建てることを検討している方向けに、家づくりにかかる費用の相場や、子育て支援・住宅取得の際の補助金などの特徴について紹介します。

家づくりをするには、どのくらいの費用がかかるのか分からないという方も多いでしょう。家づくりはエリアごとで費用が異なるものであり、これから立てる地域の費用相場を確認しておく必要があります。
また、子育て支援や住宅取得の際の補助金といった制度も地域によって違い、こちらも把握しておきたいものです。
この記事では、静岡県中部で、注文住宅を建てる際にかかる費用の目安や、各エリアの特徴などについて紹介していきます。

静岡県中部で家づくりを検討する際の参考にしていただけると幸いです。

静岡県全体の家づくり費用相場・特徴

静岡県全体における家づくりの費用は、1,790万円~10,000万円が相場とされています。
静岡県の中でも多くの方が住みやすいと感じているエリアとして、静岡市や浜松市が挙げられます。実際に、この両市をメインとしてインフラが整備されており、医療機関や教育機関へのアクセスも良好です。
子育てしやすい安心して暮らせる環境が整備されており、子育て世帯に特に注目されています。車で移動できる範囲内に海・山・川といった自然を楽しめるスポットも多いため、便利な都市部で暮らしつつ、自然にも触れられる環境で子育てをしたい方にとって魅力的なエリアといえます。
東海道新幹線や新東名高速道路があり、ほかの地方からのアクセスも良好なので、別荘地として利用している方や移住先に選ぶ方も多いようです。

静岡県内で建築されている住宅の種類を見ると、注文住宅が多い傾向にあります。例えば、令和4年に建築着工された戸数は20,285戸あり、このうち持ち家(注文住宅)が約半数の9,760戸を占めています 。

坪単価は平均293,633

静岡県の令和6年における公示地価88,824/㎡で、住宅地のみの価格は71,600/㎡です 

※公示地価(公示価格)とは
国土交通省の土地鑑定委員会が適正な土地の形成に役立たせるために公表する土地の価格のこと。毎年11日時点の価格を元に3月に公表されています。

また、静岡県の坪単価は293633/坪で、47都道府県の中で14番目の高さとなっており、全国的に見て高いエリアといえるでしょう。

 

土地価格が高いのは静岡市

静岡県の全用途(住宅地・商業地・工業地)での土地価格を比較すると、最も高額なのは静岡市で159,100/㎡です。高額なエリアベスト10をまとめると以下の通りです。2位の長泉町と比べて2割以上の高額になります。

参考:国土交通省「令和6年地価公示結果」

平均価格の高いエリアは、先述した住みやすい街として人気が高い静岡市や浜松以外では、関東へのアクセスが良好な静岡県東部に多いことがわかります。

 

地価・土地価格が安いのは南伊豆町 

静岡県内で最も価格が安いのは南伊豆町で、土地価格は24,400/ です。
ほかにも、土地価格が安いエリアとして以下の市町が挙げられます。

参考:国土交通省「令和6年地価公示結果」

土地価格を抑えたい場合は、価格の低いエリアを選ぶのもひとつの方法です。

 

魅力は豊かな自然と利便性の良さ

静岡県の中部エリアは、東京と名古屋のほぼ中間地点に位置し、静岡市・島田市・焼津市・藤枝市・牧之原市・吉田町・川根本町の52町で構成されています。

南には駿河湾、北には南アルプス、西には牧之原台地など、温暖な気候と豊かな自然に囲まれた住み良いエリアです。また、徳川家ゆかりの地や、かつて宿場町であったころの情緒も漂い、歴史と文化が息づくエリアでもあります。

新幹線や電車、車、バス、飛行機などさまざまな交通手段があるのも魅力のひとつです。

都市部と田園地域の両方を有しているため、静かで落ち着いた田園地域で暮らしながら、都市部に働きに行くという生活スタイルが可能です。

静岡県中部の家づくりの費用相場・特徴を紹介

ここからは、静岡県中部エリアで注文住宅を建てる際にかかる費用の相場や、地域ごとの特徴を確認していきましょう。

なお、費用の相場は、40坪(約132㎡)の土地に30坪(約99㎡)の住宅を建てる場合を想定し、住宅建築費は3,000万円として試算します。

【相場の算出方法】
40坪(約132㎡)の土地に30坪(約99㎡)の住宅を建てる場合とする
・計算式は「各市町の平均坪単価×40坪+住宅建築費3,000万円()」とする

※住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」よると、2022年度の注文住宅の費用平均は3,717万円、平均住宅面積は122.8㎡である。これを99㎡に換算すると、「3,717万円÷122.8㎡×99㎡=29,966,042円」となるため、約3,000万円とする。

静岡市の注文住宅は5,104万が相場

静岡市に注文住宅を建てる場合の費用は、土地代込みで5,104万円程が相場とされています。これは葵区や駿河区、清水区の3区を平均した数値です。

先にも触れたように、静岡市は東京と名古屋のちょうど中間地点に位置するため、東京や名古屋への通勤圏内としてアクセスが良好なうえに、温暖な気候で過ごしやすいという特徴があります。

また、静岡市は子育て世帯からの注目度が高いです。日経DUALの「共働き子育てしやすい街ランキング2015 の地方編で第1位を獲得しており、子育て世代向けの支援制度が充実しています。

認定こども園の数を増やしたり、待機児童向けの待機保育園を用意したりするといった部分からも子育て支援に力を入れていることが分かります。ほかにも、「ファミリー・サポート・センター」や「子育て短期支援事業(ショートステイ)」、「病児・病後児保育」といった事業が行われているのも魅力のひとつです。

また、「子育て世帯宅地提供」として、小学生以下の子どものいる子育て世帯向けに、優先して宅地を販売しています 

焼津市の注文住宅は3,649万円が相場

焼津市で注文住宅を建てる際の費用は、3,649万円程が相場です。

焼津市は年間を通して過ごしやすい気候で、日本でも有数の漁獲量を誇る焼津漁港があり、カツオやマグロをはじめとした新鮮な海の幸が堪能できます。

焼津市では介護支援や教育支援サービスが充実しており、小さな子どもから高齢者まで世代を問わず住みやすいエリアです。

介護支援として、65歳以上の市民誰でも利用可能な「一般介護予防事業」と、要支援認定者などが利用できる「介護予防・生活支援サービス事業」があります。

教育支援としては、家庭ごとの事情に合わせて学用品費や医療費、給食費の援助などが行われています。また、未就学児に対して、保育料の補助や簡単な家事を代行してくれる「子育て応援隊」など、子どもの成長をサポートする制度があるのもメリットです。

 

藤枝市の注文住宅は3,914万円が相場

藤枝市で注文住宅を建てる際の費用は、3,914万円が相場とされています。

国道1号線と新東名高速道路が走っており交通アクセスに優れているため、車での移動に便利です。

JR藤枝駅周辺は多くの商業施設があり、買い物に困ることはありません。駅周辺には公園も複数あり、小さな子どもや高齢の方をはじめとした市民の憩いの場となっています。

また、藤枝市の高級住宅街である駿河台は、総合病院やスーパーなどの店舗もあり高級感がありながらも住みやすく、これから家づくりをする方におすすめのエリアです。

なお、藤枝市には子育てファミリー世帯向けの新築住宅補助制度があり、一定の条件を満たした場合、新築住宅の取得費用に要する経費の補助を受けられます 

(令和6年度も実施される予定です。詳細は藤枝市の公式サイトで確認してください。※202447日時点、詳細は掲載されていません。)

島田市の注文住宅は3,771万円が相場

島田市で注文住宅を建てる際の費用は、3,771万円程が相場とされています。

島田市の南西には日本一の茶産地である牧之原台地が広がり、北には山地が連なり、市内には大井川が流れるなど自然豊かなエリアです。こういった環境を利用して、島田市には100ヵ所以上の公園があり、子どもの遊び場に困ることはありません。

島田市内にはJR東海道本線と大井川鉄道本線が通っており、交通の便も良好です。島田駅周辺にはスーパーや飲食店、薬局、家電量販店などの店舗があり、生活に不便を感じることはないでしょう。

島田市の子育てに関する特徴としては、市内全域に保育園や幼稚園、こども園がある点です。また、自宅訪問による育児補助をする育児サポーター派遣事業や、赤ちゃん訪問事業、イクメン応援奨励金など、子育て支援に力を入れています。

牧之原市の注文住宅は3,353万円が相場

牧之原市で注文住宅を建てる際の費用は、3,353万円程が相場とされています。

牧之原市は日本でも屈指のお茶の産地として有名なほか、海岸沿いには砂浜が長く広がっており、海水浴シーズンには多くの人で賑わいます。子どもやペットと一緒に海岸線を散歩する方も多いです。

静岡空港までのアクセスも良好で、国道150号や東名高速道路が走っているため、車の利用に便利な立地です。

牧之原市では、子育て世帯の移住定住促進事業として、住宅を新築・購入した子育て世帯を対象に「子育て家族定住奨励金 」を支給しています。基本額は10万円で、該当する条件によって加算額が決められています。地元の方だけでなく、移住した方も条件を満たせば利用可能です。

吉田町の注文住宅は3,435万円が相場

吉田町で注文住宅を建てる際の費用は、3,435万円程が相場とされています。

吉田町は、大井川と駿河湾の両方に面しており、温暖な気候に恵まれ季節を問わずに快適に過ごせるエリアです。静岡空港まで車で15分程の距離で、東名吉田ICもあることから、車移動に便利な町となっています。

駿河湾で水揚げされる桜エビや生シラス、タカアシガニなどの海鮮、大井川の伏流水で育ったうなぎなどの名物も魅力的です。

吉田町では、若い世代が安心して出産・育児ができるような取り組みがなされており、不妊治療費助成や妊婦の通院費の助成、子ども医療費助成など手厚いサービスが受けられます。

子どもたちの確かな学力の定着を図ることや、個性や発達段階に応じたきめ細かな教育を行うなど、教育にも力を入れています。

 

川根本町の注文住宅は3,170万円が相場

川根本町で注文住宅を建てる際の費用は、3,170万円程が相場とされています。

川根本町は静岡市・島田市・浜松市に隣接しており、北は長野県との県境です。町の大部分を森林が占めており自然豊かで、キャンプ場や温泉など家族で楽しめるスポットが多いです。

川根本町は、その地理的な要因からインターネットなどの通信が利用しづらい問題がありました。しかし、町全体に光ファイバーと無線を利用することで通信環境を良好に保っています。

川根本町の住民が利用できる「かわねフォン」は、町内のかわねフォン同士なら通話料が無料なほか、「役場ポータル」をタップすると町営バスの時刻表や休日当番医などの情報が得られます。

 

静岡の家づくりするならまずは展示場へ

静岡県は、子育てをしやすい安心して暮らせる環境づくりがなされている自治体が多く、子育て世帯に特に注目されています。

海・山・川といった自然にも恵まれており、子どもと一緒に遊べる場所も多いため、便利な都市部で暮らしつつ、自然の中で子育てをしたい方にとって魅力的なエリアです。

注文住宅を建てる際の費用は自治体により異なります。希望される住宅の詳細や費用などのご相談がある方は、ぜひ静岡展示場または藤枝展示場へ足をお運びください。