静岡県への移住を検討している方の中には、南海トラフ巨大地震のリスクを考慮し、安全な地域への引っ越しを決めたいという方も多いでしょう。
地形の特徴や地震・津波のリスク、さらに県が実施している防災対策を正しく把握することで、移住先を選ぶ際の判断材料になります。
本記事では、静岡県で南海トラフ巨大地震の被害やリスクが低いエリアをご紹介します。また、県の防災対策も解説していますので、静岡県への移住を考える際の参考にしてください。
<目次>
静岡へ引っ越し…南海トラフ巨大地震の被害は大丈夫?
内閣府中央防災会議が公表した「南海トラフ巨大地震対策検討のワーキンググループの報告書」によると、静岡県は南海トラフ巨大地震で「震度7」が想定される、被害の大きい地域とされています。
静岡県内で予想される死者の数は約10万3千人で、その多くは津波による犠牲と想定され、1m以上の津波が最短2分で到達すると見込まれています。
静岡県内でも、内陸部より海沿いのエリアで被害が大きくなる傾向があるため、地震リスクが気になる場合は、被害の少ないエリアを確認した上で居住地を選ぶことが重要です。
参考:南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ 報告書 説明資料
静岡で南海トラフのリスクが高い・低いエリアは?
南海トラフ巨大地震が発生した場合のリスクが高いエリア・低いエリアを把握しておくことは、家族の安全を守り、安心して暮らせる生活環境を選ぶ上で重要です。
ここでは、静岡県内の南海トラフ巨大地震におけるリスクが高いエリアと低いエリアについて、詳しくご紹介します。
リスクが高いといわれるエリア
静岡県で南海トラフ巨大地震のリスクが高いエリアは、海沿いに位置する御前崎市・袋井市・湖西市です。これらの地域に住む場合は、事前に防災対策や避難方法をしっかり確認しておくことが大切です。
各市の地形の特徴や、「静岡県第4次地震被害想定」の震度分布から予想されるリスクを確認していきましょう。
御前崎市
静岡県第4次地震被害想定の震度分布によると、南海トラフ巨大地震が発生した場合、静岡県南部に位置する御前崎市のほぼ全域で震度7の揺れが想定されています。
震度7とは、耐震性の低い木造建物は倒壊の危険が高く、耐震性の高い建物でも傾く可能性があります。鉄筋コンクリート造の建物でも倒壊が発生するレベルです。
また、御前崎市の海沿いでは、津波による最大浸水深が20m以上になると想定されており、沿岸部は特に被害が大きくなると考えられます。
袋井市
同報告書によると、静岡県の南部の海沿いにある袋井市の推定震度は、ほぼ全域で震度7です。沿岸部では津波による最大浸水深が最大20m以上になる可能性があり、特に海に近い太田川周辺では、浸水が2〜3mにとどまらず、20m以上に達することも想定されます。
なお、浸水の深さが最大となるのは、津波の第一波ではなく、第二波以降となる場合もあります。
湖西市
南海トラフ巨大地震が発生した場合、静岡県の南西部にある湖西市の海沿いや、浜名湖に面した地域を中心に、震度7が推定されています。浜名湖沿いの浜名港付近では、津波による最大浸水深が20m以上になる可能性があります。
海沿いの居住は特にリスクが高く、防災計画や避難経路を事前に確認しておくことが重要です。また、内陸部でも揺れに備えた対策が求められます。
比較的安全といわれるエリア
静岡県で、南海トラフ巨大地震が発生した場合でも比較的安全といわれるエリアは、内陸部に位置する浜松市天竜区・静岡市葵区・川根本町です。
ここでは、「静岡県第4次地震被害想定」のデータをもとに、比較的安全といわれるエリアをご紹介します。
浜松市天竜区
静岡県第4次地震被害想定の震度分布図によると、静岡県の北西部にある浜松市天竜区では、北西部を中心に推定震度が5弱となっているため、比較的安全といえます。
震度5弱とは、多くの人が恐怖で物につかまりたいと感じたり、棚にある食器や本が落ちたりするレベルです。
浜松市天竜区の中部は震度5強、南東部は震度6弱となると想定されています。浜松市天竜区は内陸部であるため、津波による浸水は想定されていません。
静岡市葵区
静岡県の北部にある静岡市葵区は、北部を中心に推定震度が5強とされており、比較的地震リスクが低いエリアです。
区の中部の多くは震度6弱、南部の一部の地域では震度6強が予想されています。震度6弱では、壁のタイルや窓ガラスが破損して落下することがありますが、内陸部に位置するため、津波による浸水は想定されていません。
川根本町
静岡県の中部に位置する川根本町では、北部が震度5強、南部が震度6弱と想定されているため、比較的安全なエリアといえます。
震度5強では、固定していない家具が倒れたり、補強されていないブロック塀が崩れたりする恐れがあります。川根本町も静岡県の内陸部であるため、津波による浸水の心配はありません。
南海トラフに対する静岡の防災対策
南海トラフ巨大地震は過去にも繰り返し発生しており、約100〜150年ごとに起きていることが分かっています。静岡県では、地震や津波による被害を軽減するためにさまざまな防災対策を実施しています。
ここでは、静岡県が行っている防災対策の具体的な取り組みを見ていきましょう。
地震対策
気象庁によると、南海トラフ巨大地震の過去の事例として、1946年の昭和南海地震ではマグニチュード(以下、M)8.4、1944年の昭和東南海地震ではM8.2でした。
静岡県では、「南海トラフ地震から命を守る静岡県の取組」に基づき、緊急輸送路や病院、学校や社会、福祉施設などの耐震化が進められており、地震発生時の被害軽減と迅速な救助活動を目指しています。
津波対策
津波が発生した場合は、まず自ら率先して安全な場所へ避難することが重要です。静岡県警では、遠くの高台へ落ち着いて避難することを推奨しています。
静岡県が行っている具体的な津波対策は、防潮堤などの津波防御施設の整備や、浸水の深さや範囲を減らし、避難に必要な時間を確保することです。他にも、警戒避難体制の整備や、海岸・河川管理者による施設改善なども進められています。
まとめ
静岡県は南海トラフ巨大地震のリスクがある地域ですが、県内でも海沿いより内陸部の方が比較的安全とされています。
県では、南海トラフ巨大地震に対する防災対策として、学校や福祉施設などの耐震化や防潮堤といった津波防御施設の整備を行っています。
静岡県への移住を検討する際は、正確な情報をもとに安全なエリアを選ぶことが大切です。移住に関してお悩みの方は、県内最大の住宅展示場「SBSマイホームセンター」へぜひご相談ください。
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