静岡県データ

ご両親とのよい関係は、よい距離感から

執筆者
株式会社トムス 田中真唯

 マイホームの検討をするにあたって、ご両親との距離感ついて改めて悩まれる方も多いのではないでしょうか。単世帯住宅と二世帯住宅では、目指す家のかたち(ゴール)は違ってくることでしょう。

 SBSマイホームセンターに出展しているハウスメーカーで成約した方を対象としたアンケートでは、建物の居住形態について「単世帯」は81.9%と圧倒的多数、一方「二世帯住宅」は14.4%に留まりました。静岡のような地方都市では両親と同居するケースが多いのではとイメージしていましたが、意外と少ないですね。しかし、二世帯住宅にした場合は「家事·育児の協力」や「(両親の)老後の不安軽減」、「経済的」などのメリットもあります。

■建物の居住形態

データ:2018年 SBSマイホームセンター成約者アンケート487人

 二世帯住宅の場合、夫または妻のどちらの両親と同居しているケースが多いのでしょうか。地域別に比較してみると、東部と西部では「息子夫婦同居」のケースが6割以上、中部では「息子夫婦同居」と「娘夫婦同居」はともに45.5%と同率でした。エリア別の違いが非常に興味深いです。嫁は夫の家族と一緒に住むのが当たり前!というような、昔ながらの考えが東部と西部では強く残っているということも考えられますし、逆に中部には他県からの流入者も多いので夫は他県出身者、妻は地元出身者のパターンが影響し、娘夫婦同居のケースが他地域よりも多いのかもしれません。

■二世帯住宅の同居状況

データ:二世帯住宅契約者70人(2018年 SBSマイホームセンター成約者アンケートより)

 一方、単世帯住宅の場合について実家との距離感をたずねたところ、「妻の実家に近い」33.3%、「夫の実家に近い」31.6%と大きな差はありませんが、子どもがいる世帯に限定してみると、「妻の実家に近い」は36.7%まで伸びます。働くママたちが増えている中で、頼みごとをしやすいのは旦那の親よりも自分の両親、という背景が影響しているのではないでしょうか。また、将来介護が必要になった場合のことも検討されての結果かもしれません。

■実家との距離感

データ:単世帯住宅契約者399人(2018年 SBSマイホームセンター成約者アンケートより)

 我が家は「単世帯&夫の実家に近い」タイプの家なのですが、いつも義両親にはお世話になっており、足を向けて寝られません。縁あって結ばれた家族ですので、感謝の気持ちを忘れずに、お互いを思いやれる関係を続けていきたいものです。そのためにも、ご両親との良好な関係が築ける家の形態·場所を選ぶのが良いのではないでしょうか。