静岡県データ

予算オーバーにならないために必要な準備と心がけとは

執筆者
株式会社トムス マーケティングリサーチチーム 寺島知津

 注文住宅の最大の魅力は、家族の理想や思いを形にできる点です。家族の共同作業で理想の家を作り上げていくのは本当に楽しいものです。一方で、注文住宅は自由度が高いからこそ見逃すことのできない注意点があります。それは”予算オーバー”になりやすいといった点です。実際のところはいかがでしょうか。

なぜ予算オーバーに?

 静岡県内で注文住宅を購入した人に、「家の購入価格について予算と比べてどうだったか」との質問をしたところ、「予算どおりだった」が27.2%だったのに対し「予算をオーバーした」と回答した人が70.4%にのぼりました。さらに予算オーバーした人にオーバー額をたずねたところ、400万円以上がおよそ3割、200万円以上でみると5割以上に達しています。まさに車1台購入できる金額ですね。では、なぜ予算オーバーとなってしまったのでしょうか。その理由としては「色々と設備を付けたくなってしまった」「標準よりもグレードアップした」「オプションを付けた」など、話を進めていく中で”欲”が出てきて、いつの間にか予算を超えているケースが多く見受けられました。また、「外構」や「地盤改良」「地質調査」など建物本体価格以外の諸経費を予算に入れておらずオーバーしてしまったケースもありました。ほかにも、「金銭感覚が麻痺してしまった」や「気持ちが大きくなってしまった」など、数千万円、数百万の話をしている中で数十万円の増減は気にならなくなってしまい、結果的に購入費用が大きく膨らんでしまった人も多いようです。

自分に合った予算を計画的に

 当然のことですが、予算オーバーした分は住宅ローンの増額につながります。理想の家を手に入れた代償として、ローン返済で生活の質を下げてしまうなんてことにならないためにも、できれば予算内で理想の家を手にいれたいところですね。 今回のアンケートの事例を踏まえて予算オーバーにならないためのポイントを挙げてみました。
●設備のグレードアップやオプション追加などについては、「我が家に本当に必要なものか」と冷静に考えてみること
●本体価格以外のいわゆる諸経費も予算に入れておくこと
●数万円、数十万円の積み重ねは、あっという間に百万単位になることを肝に銘じておくこと
そのほかにも、インターネットや家づくりのノウハウ本などで”予算オーバーにならないための家づくり”について数多く紹介されています。家づくりを始める前、または家づくり真っ最中の方もこれらの情報を収集しながら、”我が家のお金・予算に対する方針”を家族で共有しておくことをお勧めします。