静岡県データ

新型コロナウイルス、防災の常識も変わる?

執筆者
株式会社トムス 寺島 知津

今年の夏も、九州豪雨をはじめとして各地で大雨やゲリラ豪雨などによる自然災害が発生しました。年々、自然災害の規模も大きくなっており、被害の状況を目の当たりにするにつけ、「防災対策や備えは大丈夫か?」と考えさせられます。皆さんも、ご自身やご家族の防災、備えを見直す機会が増えているのではないでしょうか。

ところで、静岡県は防災意識はトップレベルと言われていますが、実際のところはどうでしょうか。日本気象株式会社が随時公開している「防災力ランキング」では、静岡県は 47 都道府県中 5 位にランクインしてます。東日本大震災による被災エリアが上位となっていますが、それに次ぐ順位となっています。日本気象株式会社による「防災力チェック」では、防災の知識や備えについて 17 の項目を問われ、その回答率を防災力として得点化されています。

例えば、「気象情報を日頃からチェックしている」「近くの避難所を知っている」などの項目があります。ちなみに私も「防災力チェック」にチャレンジしたところ、 17 項目中 11 項目で回答でき、 5 段階レベルのうち”防災レベル4”をいただきました。静岡県民に恥じないレベルでホッとしています。

また、ヤフージャパンによる「ヤフー防災模試」においても、静岡県は都道府県ランキング2 位と健闘しています。この模試は、災害に関する知識や災害時の行動について 25 の質問に答えるもので、その平均正答率がランキングされたものです。

ところで、日常生活の不安要素として”新型コロナウイルス”が加わりました。コロナ禍により、人々の防災意識にも変化が現れているようです。 DCM ホールディングス株式会社が 2020年 7 月に来店客を対象に行った「コロナ禍における防災アンケート」によると、”新型コロナウイルス拡大の影響を受けて避難所へ行くことへの抵抗感が強まったか?”との問いかけに「非常に強まった」または「強まった」と回答した人は 7 割。さらに”新型コロナウイルス感染拡大の中で災害が起きた場合、どのような避難行動をするか?”との質問に対しては「避難所に行く」が 2 割だったのに対し、「そのまま自宅で待機する」がおよそ 5 割を占めています。

確かに最近、新聞やテレビ、インターネット上で”在宅避難”という言葉をよくみかけるようになりました。実際に、安全性が確保できる状況であれば”在宅避難”を推奨している自治体も多く見受けられます。これからは、安心して”在宅避難”ができる家も注目されるのではないでしょうか。「防災力チェック」「ヤフー防災模試」を見ても、やはり静岡県の防災力は高いと言えそうです。引き続き、上位が維持できるよう防災や備えについて日々、メンテナンスをしていきたいですね。