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子育て住宅のススメ

執筆者
株式会社トムス 寺島知津

 こちらのコラムをご覧の方の中には、家づくりもさることながら子育て真っ只中の方も多いのではないでしょうか。我が家も家づくりスタート当時は長男が1歳で、子どもの成長を想像しながら、間取りや設備機器についてあれこれと考えたことを思い出します。特にこだわったのはリビング階段とお風呂の大きさ。出かける家族や帰宅する家族とのコミュニケーションを意識して、階段は家族の集合場所であるリビングを通り抜けて2階に上がる動線になるように設置しました。おかげで、息子たちのお出かけ前と帰ってきたときの元気度をチェックすることが出来ます。また、お風呂は大きめのサイズをチョイス。息子たちが小さな頃は、主人と子どもの三人が一緒に入っても余裕があったため、男同市のコミュニケーションの場となっていました。リビング階段と大きめのお風呂の効果があってか、思春期の子どもたちとのコミュニケーションも上手くできたほうだと満足しています。

 さて、我が家で実践した子育て住宅のご紹介はここまでにして、皆さんの事例をみてみましょう。静岡県内の持家所有者で高校生以下の子どもを持つ女性を対象としたアンケート調査では、「家づくりにおいて子育て環境を意識して取り入れたこと」をたずねました。最も多かったのは「対面キッチン」(48.7%)。次いで「広いリビング」(36.8%)、「広い収納・建付け収納」(25.0%)、「リビングイン階段」(23.7%)、「広いバスルーム」(23.7%)となっています。これら上位の項目をみると、家族間のコミュニケーション創出と収納がポイントのようですね。

■子育て環境を意識して取り入れたこと
 
データ:二世帯住宅に関するアンケート(株式会社トムス調べ 2019年7月)
※調査対象:静岡県内在住の持ち家所有者かつ高校生以下の子どもがいる女性(n=76)

 そのほかにもユニークな事例として以下のようなものがありました。
●2階の階段を上がったところを広めにホールとして、ピアノや本棚、テレビを置き、壁がわにカウンターを付け、第2のリビングのような感じで使っている。個室にするより便利
●子供部屋を広く使えるようにして、ボルダリングで2階に登れたり、上から大量ボール投げで思い切り遊べる
●15人くらい座れるテーブルを作り子どもたちが自由に勉強ができる

 一方で後悔した点については、「収納スペースが足りない」といった声が圧倒的に多くなっていました。就学前はおもちゃや絵本、就学後は学用品や教科書などと、子どもの成長に応じて収納するものや収納量は変化します。成長に伴って必要となる収納の条件(場所、大きさなど)を挙げてみるとよいでしょう。身近にいる子育て経験のある方たちの話を聞いてみるのが一番かと思います。

 我が家はすでに子育て終盤に差し掛かっていますが、これまで子どもたちがのびのびと育ってくれたこと、家族みんなが平和に楽しく暮らすことができたのは、「マイホーム」が大きく貢献したからと感じています。