建築・間取り

木造建築こだわるなら

執筆者
株式会社Flap 矢島マコト

木造建築の環境負荷

 木造は、他の構造に比べ環境負荷が少ない構造形式です。木材は、太陽光などの自然エネルギーによって生育しますから、製造に伴うCO2排出量が少ないと言えます。材料が軽く、運搬に伴うCO2排出量も少なくて済みます。また、加工や組み立てが容易で、建築作業に伴うCO2排出量が少なく、建築物が残っている間は、炭素は建築物に固定していて遊離放出されません。

木造の問題点「燃えやすい」耐火建築にしましょう

  火災保険加入の際、耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火構造建物でないと保険料は高くなります。木造建築は、木の部分を石膏ボードなどの不燃材料で覆い、燃えにくくする必要があります。壁紙などの内装材は極力材料を採用したいところです。
 木材は、燃え尽きるまで時間が掛かります。燃え始めると表面は炭化し、木材が太ければ太いほど、中心部まで燃え尽きるまでの時間稼ぎが可能です。そのため「燃えしろ設計」という言葉が有り、1時間耐火の燃えしろは45mmです。構造材は、太い木材を使用しましょう。

木造の敵「湿気と白アリ」べた基礎で!防蟻加工は当然

 地面からの湿気やシロアリの進入を防ぐためには、建物下部の全面を鉄筋コンクリートで覆う「べた基礎」推奨です。構造材の下部のみの布基礎の場合でも防湿・防蟻のための鉄筋コンクリートを敷くのは当然です。 
 構造耐力上主要な部分の木材については、含水率25%以下の肝臓した物が望ましく、辺材より心材、樹種は、使用箇所に応じて、耐腐朽性・耐蟻性の大きいものを採用します。ひば、ひのき、けやきなどは、木造建築に適した木材と言えるでしょう。
 屋根の形状は単純なものとし、ひさしの出を大きくすることで、基礎部分への水の浸入を防止できます。 壁、壁内、室内ともに排気、換気の良い工夫が必要でしょう。

進化する木造建築 もう寿命30年とは言わせない

 国も、何でも壊して新築を、という方向性を大転換し、今ある住宅を上手に直して長く使いましょう、という方向に舵を切っています。これから新築を建てるなら、長期使用を念頭に計画しましょう。