建築・間取り

マイホームは建てて終わりじゃなかった!

執筆者
建築士事務所協会 会員  山梨一級建築設計事務所 山梨一正

住宅の平均寿命はどれくらい?

 ある資料によりますと、日本26年から30年、アメリカ60年、ドイツ80年、イギリス100年だそうです。随分と差がありますね。日本の伝統建築で作られた寺や神社が何百年も美しさを保ち、自然災害にも侵される事なく現存しているのに、どうした事でしょうか? 日本の家屋が短命になった原因は、安く・早くの家創りが生んだ品質低下の悪循環ではないかと、言われています。 家創りにおいて何を一番重要とするか?どんな家に住みたいか?絶対に譲れない拘りは何か?これが明確にされていますと、家創りがスタートから違ってまいります。

プロポーザル方式を取り入れて損はしない

 以前、店舗併用住宅で、お施主様からプロポーザル方式(数社からプランの提案をしてもらいその中から気に入った作品を選択する方式)で採用された経験があります。プロポーザル方式で手間がかるからとはいえ、お金が発生したり、頼んだら断れなくなるのではというご心配はありません。ネット上にも無料サイトがありますので、利用するのも1つの方法かと思います。 

早め早めのお手入れは、住宅の寿命を延ばす!

 日本の住宅は、イギリスの住宅の1/4の寿命であると言うことは、建替えの度に大量の産業廃棄物が発生して、多額な建築費を投入する事になります。 例えば25年のローンで住宅を建てた場合、払い終わったら住宅ともサヨナラ!悲しいですね。しかし、一概に寿命が25年と言う訳ではありません。それは、メンテナンスにもよります。早め早めのお手入れは、住宅の寿命を延ばします。 これが、肝心な所ですが住宅に愛着や思い入れがあればある程大事にし、お手入れも小まめにするものです。すなわち、家創りのスタートには何を一番重要とするかに尽きるわけです。 そして、家に拘りを持っていれば、将来を見据えた平面計画も出来やすくなります。当然時を経れば、家族環境・構成も変化しますから、当初から変化に十分対応できる様に、その時になっても、最小限のリフォームで済む様に配管設備等、配慮しておくのです。

質の良いローコスト住宅とは

 エコ住宅・質のよいローコスト住宅の究極は、将来を見据えた思い入れのある家創りから! エコ住宅とは大切にする心から始まり大切にする心を持ち続けて完成します。質の良いローコスト住宅とは、適正に住宅にお金がかけられているか?住宅以外にあてられているお金で金額が膨らんでいないか?を知ることです。 以上の事から、住宅創りは、愛着と拘りを持って、真摯に取り組むのが地球環境にも必要であり、快適な住まいで心豊かに暮らせる方法でもあります。日本の住宅の寿命が世界に誇れるようになりたいものです。