住宅制度

家づくりのための専門家相談 ~よりよい家を手に入れるために~

執筆者
静岡県建築住宅まちづくりセンター 営業部長 齋藤 明

[マイホームづくりは専門知識が必要]

  マイホームを手に入れるには、「人生最大の買い物」と言われるほど、多額のお金が必要となり、当然、何度も経験できるものではありません。また、マイホームづくりには、計画を実現していくまでに非常に多くのエネルギーが必要となります。
 土地の取得から家の登記まで、それぞれの段階で専門的な知識を基にした計画づくりや手続き、契約などを行っていくわけですから、初めてマイホームづくりを経験する人が全てを行うことは非常に困難であり、また、専門の資格を持った人でなければできないことがあります。このためマイホームづくりは、ほとんどの方が「不安なこと」「分らない事」ばかりで、やはりそれぞれの専門の人達の手を借りながら進めていくことになります。

[分らない事は専門家のアドバイスが大切]

 「専門の人達の手を借りる?」。具体的にはどのようにしていけばいいのでしょうか。
・マイホームを建てるための良い土地をどのようにして取得すればいいのか
・資金計画をどのようにすればいいのか
・建てる家はどのような形や間取り、設備にしていけばいいのか
・工事業者を誰に依頼すればいいのか
・契約書はどのような内容で交わしていけばいいのか
・より良いマイホームづくりにつながる制度や補助金制度は、どのようなものがあるのか
・工事中の注意点は何か
・マイホームを建てる場合の税金は何があって、いくら必要なのか
・隣接地の住民と敷地境界のことなどでトラブルがあり、どのように対応したら良いのか
・マイホームの登記手続きなどは、どのように行うのか・・・・。
 列記した疑問や不安は、代表的な例であって、これらについての知識や情報を最初から持ち合わせている人は、ほとんどいないと言えるでしょう。だからといって、情報や知識がないまま、マイホームづくりを進めようとすると、後で「しまった」ということになります。 マイホームづくりの計画を進めるには、疑問や不安に関係する業務を行っている「専門家」に相談して情報や知識、アドバイスを得ながら、一つひとつ理解して進めていくことが重要なことです。

[それぞれの専門家による公正中立な家づくり相談]

   「専門家に相談する」と言っても「どこで相談に乗ってくれるのか、分らない」ということがあります。  一般財団法人静岡県建築住宅まちづくりセンターでは、消費者の方の安心安全な住まいづくりをバックアップしようと、平成22年4月に「あんしん建物相談室“ミーナ葵”」を、静岡駅前の葵タワー7階に設置し、建築士、宅地建物取引士、税理士、弁護士、司法書士、リフォーム専門工事業の専門家による「家づくり専門家相談」を、そして平成23年4月からはSBSマイホームセンターとの共同事業で、ファイナンシャルプランナーの専門家を追加し、県下10カ所のマイホームセンター展示場を毎月巡回して「家づくり相談」を開いています(家づくり相談の日程は別表参照)。
この専門家相談は、まちづくりセンターの公益事業として行っているため、公正、中立な立場で消費者の方からの相談に乗り、しかも無料で行っているため安心です。
 それではどのような相談に乗ってくれるのか。
 例えば建築士には「家族で家の間取りなどを考えているのですが、なかなかまとまらないし、その希望が実現できるのか。また建築費用がおおよそどのくらいかかるのか」「耐震補強工事をしたいがその手順と費用を知りたい」、税理士には「両親が住んでいる土地、建物を売却し、家を建て替えて同居する予定だが、かかる税金のことを知りたい」、宅地建物取引士には「土地、価格とも条件に合った物件が見つかり、これから不動産業者と交渉するが、チェックポイントや契約を結ぶまでの注意点などを知りたい」、弁護士には「業者と契約したが、契約を解除しようとしたら、手付金が全て戻ってこない。許されることなのか」など、多種多様です。

[知識・情報を得て、時間をかける計画づくり]

 マイホームづくりを実現することは、分らない事、不安な事ばかりあって非常に大変なことです。だからこそ専門家に相談して問題点を解消しながら進めていくことが重要なことです。
 一方で、「専門家に任せたから」といって、「専門家に任せっきり」ではいけません。大切なマイホームづくりは、人生最大のイベント。
いろいろな問題に対して、急いで進めるのではなく、それぞれの専門家にアドバイスを受けなど自らが動き、十分な時間をかけ、情報や知識を得て計画を進めていくことが、安心安全で潤いのある住まいづくりに繋がります。
 住まいの専門家相談は、予約制となっています。問い合わせは、あんしん建物相談室“ミーナ葵”、電話054-251-8011