日本の住宅と言えば木造
築200年越えの家がテレビに出てくることが有ります。重厚な梁に極太の大黒柱が映し出されます。あのような一本丸ごとの木材が惜しげも無く住宅に使用されることは現在ではありません。あったとしても建築費は膨大な額となるでしょう。材料もさることながら当時の技術を全て受け継ぐ大工さんが一般住宅の現場には居なくなってしまったのです。とは言え日本の住宅は大半が木造です。平成25年のデータでは、静岡県の新築の81.4%が木造です(国交省資料)。
アメリカでも木造が90%
アメリカの住宅は、90%が木造ツーバーフォー工法と言われています。セルフビルドや増改築をDIYでやってしまう人も多く、規格化された材料を使用する工法は利点も多く理に適っています。日本でもツーバーフォーの有力ハウスメーカーが何社も存在します。筆者もツーバーフォーの住宅に住みたいなぁと夢想しています。
木造の耐震強度は向上している?
これは、大きな疑問と言わざるを得ません。現行の建築法規は、昭和56年の大改正以降、耐震強度の見直しは行われていません。既に、耐震等級3を誇らしげに表示する時代ではありません。国が定める耐震等級は、下記の通りです。「倒壊しない」ということは「無傷」ではありません。倒壊しないから家に押しつぶされずに逃げられますよ、ぐらいの強度です。
等級1 | 耐震強度 1.0 | 一応倒壊しない |
等級2 | 耐震強度 1.25 | 一応倒壊しない |
等級3 | 耐震強度 1.5 | 倒壊しない |
耐震から制震へ
国や自治体のすすめる既存住宅の改修では耐震等級1が目標数値です。新築住宅の場合、近年は耐震等級2~3を実現するのが当たり前です。大手住宅メーカーは耐震は当然で、プラス制震構造をアピールしています。耐震性能を確保した上で制震装置を組込むという構造です。制震装置で地震エネルギーを吸収し、度重なる余震の襲来でも耐震性能の期待値を上げようというものです。