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コラム繰り上げ返済“あらかじめ計画”のススメ

株式会社住まいと保険と資産管理 (静岡ライフプラン設計相談室) 山川正人

繰り上げ返済はあらかじめ計画しておく 


退職金で繰り上げ返済する!?
  一般的に住宅ローンの返済は、30年から35年の長期に渡ります。仮に、金利1.5%で、期間35年の固定金利型住宅ローン(借入額:3000万円)を借りた場合、借入年齢ごとの65歳時点での住宅ローンの残り額は次の通りです。

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 65歳というと定年退職を迎え、主たる収入が公的年金に切り替わる年齢です。多くの方は収入減となるので、退職金で住宅ローンを全額返済してしまおうと考える人も多いでしょう。でも、それって老後資金に充てるはずの退職金を65歳の時に使ってしまうということですよね。大丈夫でしょうか?


定年後の生活実態は?

 総務省の家計調査年報(H25)の調査によると、無職の高齢夫婦世帯の1ヶ月間の収支は、約6.5万円の赤字だそうです。老後生活の期間を25年と見ると、必用な貯蓄額は次のようになります。

[6.5万円×12ヶ月×25年=1,950万円]

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老後生活に入るにあたって、約2,000万円を用意しておけばよい?
 いえ、違います。これに加えて住宅ローンの全額繰り上げ返済のための資金が必要です。現役で働いている時期には、貯蓄がしやすい時期と、難しい時期があります。その主な要因は教育費です。特に子どもが大学に通っている時期は、学費だけでなく仕送りがあったり、きょうだいの在学時期が重なったり、どちらかといえば貯蓄の取り崩しを行う可能性が高いと思います。 逆に言うと子どもが小中学生のうち、大学卒業後が貯蓄ができる時期です。ここを意識しておかないと、定年を迎えたとき、あのとき貯蓄ができたはずだなあと思うことになります。 そうならないためにも、住宅購入のタイミングで、定年時の住宅ローンの残り額がある場合はそれをどのように貯めていくかの貯蓄プラン、もう一歩踏み込んで繰り上げ返済プランを考えておきたいものです。


住宅ローン減税を繰り上げ返済原資に充てる

 住宅ローン減税とは、年末の住宅ローンの残高に応じた額が所得税から控除される制度です。借り主の所得や、家族構成、借入額、借入金利などによって控除額は変わってきますが、一例をあげると次のような感じです。 [年収] 500万円、[住宅ローン: 借入額]2,500万円、[住宅ローン: 返済期間]35年 [金利:全期間固定] 1.5%、[家族構成]妻・子ども二人 [制度利用による10年間の控除累計額]約220万円

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 上の例では、住宅ローンの返済総額は約3,215万円になりますが、そのうち約220万円は実質返済負担が軽減されます。さらにもう一工夫して、住宅ローン減税分を貯めておいて、10年後に繰り上げ返済するとどうなるでしょう。繰り上げ返済の効果によって、返済期間が3年4ヶ月短縮され、さらに利息支払額も約90万円少なくなります。

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 住宅ローン減税で戻ってくるお金はボーナスと思って使ってしまうのではなく、しっかり貯めておいて繰り上げ返済に使うと、減税分以上の負担軽減の効果が生じます。


繰り上げ返済プランも作ってしまおう

 人生の三大資金、住宅、教育、老後。この3つは互いに関連し合っています。住宅取得のための資金計画とは、単なる借り入れ計画ではなく、人生の三大資金を網羅したものでなければなりません。

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 老後に住宅ローンを残さないために、安心の貯蓄額を確保するために、住宅ローンを借りるにあたっては、住宅ローン減税分だけでなく、家計の見直しにもしっかり取り組み、繰り上げ返済の原資を作っていけるよう、計画を立てておきましょう。

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