マネープラン

住宅購入時の「諸費用」って何?

執筆者
株式会社Flap 矢島マコト

このコラムをお読みの多くの方が住宅ローンを利用されるかと思います。

そこで気になるのは金利。変動か固定か、それが問題だ!となるのが一般的な話の流れです。金利については、住宅ローン金利コラムで詳しい解説をぜひご覧ください。

今回は、筆者であるY氏こと不肖矢島の体験談を交えて住宅購入時の「諸費用」について紹介したいと思います。Y氏は、△年前に、県内某地区に住宅を購入しました。 ○千△百万円のローン審査は辛うじて通過。ほっと胸を撫でおろしたのも束の間、万年手元不如意のY氏を困惑の迷宮に誘ったのは「諸費用」でして、この諸費用、中々手ごわい相手でした。「諸費用ローン」などというモノまであるとは知りませんでした(恥)。思いのほか、まとまったお金が飛んでゆきました(泣)。どうやら日本では頭金と諸費用ぐらいは現金で用意するのが当たり前みたいなことになっているようなので、やはりY氏は...(絶句)。本題に入ります。

条件により異なりますが、一般的に、物件価格の3%~10%が必要と言われます。心理的に余裕を持ちたい方は、前もって10%ぐらいを覚悟しておいた方が良いかもしれません。

先ず、どのような「諸費用」が必要か確認して行きましょう。

諸費用は、大別すると2つ。 公的費用融資関連費用

公的費用ほとんど選択肢が無い費用 

登録免許税

 抵当権を設定するときに国に納める税金

(借入額の0.4%または0.1%)

登記手数料 司法書士が土地や物件を登記する際の報酬
不動産取得税

原則 土地・家屋それぞれ3%

(軽減措置あり)

固定資産税 評価額によって自治体から通知される額
 印紙税 契約書作成時

融資関連費用ローンの種類や、初期費用の有無により選択肢がある費用 

保証料 一括払い、金利上乗せ、無料など
団体信用生命保険料

金利に含む、金利上乗せ、特約

のみ金利上乗せなど

融資手数料

融資額の1%~2%、定額の場合

3万円~5万円、無料など

火災保険料 建物の評価額により異なる、融資期間をカバーする期間の加入要
地震保険料 任意ではあるが、加入がベター

ローン審査と金利が二大関心事となってしまい、諸費用については良く検討しなかったという方は少なくないようです。恥ずかしながら、私もそうでした。初期費用の知識が無かった為に、手元資金が枯渇...

例えば融資額が5000万円、融資手数料が2%ならば、100万円。では、手数料定額なら良いのでしょうか?
定額で3万円だとしても、金利が1%高ければ総額では巨額の差が出るでしょう。

ハウスメーカーやデベロッパーが金融機関と提携し、優遇金利のローンを提供することがあります。金利の安い銀行で高い火災保険に入ってしまうと節約効果が小さくなってしまいます。私は危うくこのパターンに陥るところでした。初期費用の大小、支払総額、選択肢の幅など、十分に検討しましょう。数十万円の差が出ることは珍しくありません。

住宅ローンは、家の為の借金と捉えるとイメージしにくいのですが、「家」と「住宅ローン」の二つを同時に購入している、と考えると見方が変わります。この二つが一体で不可分ならば、「借り換え」という「買い替え」は出来ませんが、別物だからこそ借り換えが可能です。