土地選び

地盤を確認しましょう!不動沈下を防止!家を傾かせないための調査は欠かせない!

執筆者
株式会社Flap 矢島マコト

傾いた家の入居者募集・・・

 不肖Yは、転勤族だった時期があります。ある北の県庁所在地に赴任し、新居を探していました。当地はにかいめ赴任でした。戸建ての賃貸もいいなと思っていました。そんな時、絶好の立地と間取り、家賃も薄給のYとしては許容範囲の物件を発見!さっそく内覧に出向きました。
 オーナーは県外在住とのことでした。物件概要に注意事項が有り、少し傾いているとのことでしたが、広い間取りとカーポート付きでクルマは3台駐車可能。雪国の雪は侮れません。毎日の出勤時にクルマの上に積もった雪を落とし、クルマ周辺の雪を除去してからの出動となります。カーポート付きの魅力は大きいのです。
 対抗馬は、中心市街地徒歩圏内、1台分の車庫付き、屋根なし駐車場部分は、コンクリートが融雪設備付きの物件で、駐車は2台まで可能。それなりに高い家賃で持ち出し費用が嵩みます。
 迷いました。戸建ての内覧時にYは、ビー玉を持参していました。転がり方が緩やかならばOKではないかと考えていましたが勢い良くコロコロコロコローっと転がって行きます。同居人は、対抗馬の立地に魅力を感じていたようで、傾いた家は気持ち悪いし、住んでいる間に会社が進行するのではないかと不安を訴えました。う~む一理あり。こうして北国の傾斜住宅への入居は見送りとなりました。

傾いた家は水平になるのか?

 2回目の当地赴任で現地に知り合いが居たYは、住宅の基礎工事や外構を専門に施工する業者を知っていました(バンド仲間)。相談したところ水平にすることは可能ということでした。傾いた家の基礎の下をジャッキで固定した後、更に下の地層を掘り進め、固い層に強化素材を埋め込み地盤強化を行うとのことでした。「家上げ」という用語を使っていましたが、それぞれの地域で言い方は違うかもしれません。費用を訊くと現地を見ないと分からないが、数百万円規模になると思うとのことで、他の物件を勧められました。もしかすると、この物件のオーナーは「家上げ」を行わずに賃貸住宅として貸し出し「家上げ」費用を稼ごうとしたのではないか?と思いました。

地盤の強弱については自治体が発信している情報があります

 各自治体は、公共工事で調べた地盤情報を持っています。国とも情報共有しており、インターネットで調べられます。静岡県GISとして公表されておりますので(みんなのハザードマップ)、土地購入の際は、調べておいて損はないでしょう。
 とはいえ、周辺に多多くの住宅があり、小学校などが建てられています。各自治体は、地震や浸水のハザードマップを作成しておりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。前述の傾いた家は、当地では新興住宅街であり、水田を埋め立てて造成された地域で、他にも傾いている家は少なくないとのことでした。埋め立て業者にも良し悪しがあるようです。

地盤の情報収集は可能 家は高い買い物 地盤強化について調べる価値は大きい

 古くから、地名に「さんずい」が付くと地盤は緩いと言われています。前述の地域はその通りでした。隣接地域も「さんずい」地名でした。しかし、海から遠い山が安心かというと、そうでもありません。人の手が入らなくなった日本の山も大きな災害を起こしています。表層全体が崩落し、大量の流木が人家を襲っています。山裾を切り崩し造成された住宅地の地盤も強化されていなければなりません。家そのものの耐震に目が行きがちですが、地面の上に家が建っていることをお忘れなく。